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【プロローグ】淡路島は東京のすぐ近くに
淡路島総力特集
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たこフェリー。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 2005年初夏、淡路島を自転車で思う存分に走りました。第1日目は、今回の淡路島ツーリングの活動拠点である五色町(※)に行きました。五色町は播磨灘に面した淡路島の中ほどに位置しているため、島内各地へのアクセスはとてもよく、活動拠点とするのに適しています。

(※五色町は2006年2月11日に隣町の洲本(すもと)市と合併して洲本市になりますが、今回のツーリングでは合併前であるため「五色町」の表記を使います)

フェリーで淡路島北部の岩屋港に着きました。明石海峡大橋を背景に淡路島上陸記念写真を撮りました。クリックすると拡大します。

 ツーリングを企画するに当たり、今回は東京から交通の便がいい“島”へ行くことを考えました。何となく自転車で島を走りたいという気分だったからです。ただ予算に限りがあるため、東京からでは運賃が割高になる九州・沖縄など西南部の離島へ行くのはちょっと難しく、新幹線で気軽に行ける島はないものかと考えました。自転車で走り回れるくらい大きな島で、かつ東京から気軽に行ける島と言えば、新潟県の佐渡島くらいしかないのか−−と思っていたところ、意外にも淡路島があることに気がつきました。

 淡路島と言えば、明石海峡大橋で本州と結ばれ、大鳴門橋で四国と結ばれており、一見すると交通の便がいいように思います。しかし、淡路島には鉄道が通っていないため輪行(自転車を袋などに入れて電車などで運搬すること)するわたしのような人にとってはそれほど便がいいところではありません。明石海峡大橋や大鳴門橋は、自転車や歩行者の通行を禁じていることから、輪行するとすればバスに乗らなければなりません。バスによっては自転車を収容する場所がないため、輪行できないケースが少なからずあります。

 ところが、よくよく調べてみるとJR山陽本線・明石(あかし)駅のすぐ前から淡路島行きのフェリーが出ていて、自転車を乗せられることが分かりました。輪行しても乗せられますし、丸ごと裸のままでも乗せられます。裸のまま乗せたとしても片道の運賃は520円とお得なお値段です。人間だけなら片道320円です。(※金額は2005年7月現在のものです)

 たとえば、明石海峡大橋をマイカーで渡ろうとすれば、橋の部分の通行料として1台あたり片道2300円ほどかかります。淡路島の人が“明石や神戸へちょっとお買い物”に行くとき、マイカーで橋を渡るのではなく、フェリーと電車を組み合わせて使えば、交通にかかる費用を大幅に節約することができます。

 フェリーは、明石淡路フェリー(明石市)が運行しており、明石はタコがとれることで有名なことから愛称は「たこフェリー」と名付けられています。

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淡路島の位置を示した図です。東京から新幹線と在来線、フェリーを乗り継いで5時間弱で着きます。交通機関の乗り換えはとてもスムースで、簡単にアクセスできます。クリックすると拡大します。
ツーリング初日の走行ルートを示した図です。淡路島北部の岩屋港から中部の五色町まで、播磨灘に面した地方道を走りました。
JR山陽本線・明石駅から淡路島行きの「たこフェリー」乗り場までは、わずか600メートルの距離です。歩いてすぐです。
生まれて初めて乗った一等客車に相当する新幹線のグリーン車にて。どこかの偉い社長か億万長者になった気分でした。席が大きくて、ふかふかしています。有名なビジネス雑誌も無料で読むことができます。
暖かい駅弁をいただきました。普通、駅弁は冷たくて、ごはんが硬いことが多いのですが、JR東日本のグループ会社の日本レストランエンタプライズ製の駅弁「オーベントー」シリーズは、まるでコンビニ弁当のように暖かいのが特徴です。
新幹線で出発。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
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新大阪駅の在来線ホームにて。新幹線から在来線に乗り換えて明石駅まで行くところです。
明石淡路フェリー(通称:たこフェリー)の発着場にて。フェリーの安全航行を祈願するためなのか「パパたこ神社」がありました。
パパたこ神社の「信じる者は救われる」??
たこフェリーの専用桟橋です。
たこフェリーに乗って明石港を出ました。明石港の街並みが後ろに見えます。20分ほどで淡路島に着きます。
明石港に向かう「たこフェリー」が見えました。淡路島は、もう目の前です。

 この日のコースは、明石駅まで新幹線と在来線を乗り継いで行き、そこからたこフェリーで淡路島に渡ります。そのあと自転車を組み立てて、淡路島ツーリングの活動拠点とする五色町までの35キロメートルほどの道のりを自転車で走ることにしました。

たこフェリーに乗ってすぐに、巨大な明石海峡大橋が見えてきました。これからあの橋の下をくぐって淡路島北部の岩屋港に接岸します。

 自転車による移動距離が長いため、少なくとも出発の日は晴れていないと困ります。淡路島は鉄道を使った輪行ができないため、雨が降るとたちまち立ち往生しています。荷物もその日必要な最低限のものしか持てません。「天気」と「荷物」を解決するため、今回のツーリングでは出発日が変更可能な柔軟性ある計画づくりと、荷物を宅配便で事前にお宿へ送る取り組みをしてみました。

 まず、お世話になる五色町のお宿の方に、自転車ツーリングのため1週間ほど宿泊したいという意向を伝えた上で、「荷物を事前に送らせてもらうことは可能か」ということと、「天候次第で出発日(到着日)が変更になるがキャンセル料なしで対応可能か」という2点を電話で相談してみました。

 何軒か電話してみたところ、荷物を事前に送らせてもらうことが可能で、なおかつ天候により到着日が変更になってもキャンセル料をとられないという、すばらしいお宿を見つけることができました。お宿の方が、雨を苦手とする自転車の特性を理解してくださったことが、無理なお願いを了承してもらう上で大きな追い風となりました。

 出発1週間ほど前になり、気象庁発表の週間天気予報で晴れを確認してから、新幹線の切符を買いに行きました。ところが連休と重なっていたため、いくら朝いちばんの便といえども、グリーン車しか席が空いていませんでした。手ぶらなら立ち席で新大阪まで行くこともできますが、自転車を持たなければならないので、あまり混雑している車両には乗れません。仕方なく高価なグリーン席を購入しました。東京・新大阪間のグリーン席のお値段は、新幹線の通常運賃に約5000円を上乗せして支払わねばならず、通常運賃に比べて1.3倍あまり割高になります。

 お財布は激しく痛みましたが、生まれて初めてのグリーン車に乗れたことで新鮮な喜びを感じました。普通車は横1列に5席の座席が並んでいるのですが、グリーン車は同4席だけ。その分、座席が回りがゆったりしていて、しかもシートの座り心地がとてもいい。まるで自分がどこかの偉い社長さんか、大富豪、売れっ子芸能人になった気分でした。

いざ淡路島へ上陸。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 出発当日は朝6時ちょうどに東京駅を出発する新幹線「のぞみ1号」に乗って新大阪駅へ向かいました。新大阪で大手私鉄の急行や特急並みに速いJRの新快速・姫路行きに乗り換えて明石駅まで行きました。新快速を使えば、新大阪駅から明石駅までの所要時間は40分ほどで着きます。

 たこフェリーが発着する明石港は、JR明石駅から南へ約600メートル進んだところにあります。歩いても15分ほど、自転車で行けば5分ほどで着いてしまう距離です。明石港から淡路島の最北部の港・岩屋港までは20分ほどで到着します。たこフェリーの運行間隔は30分に1本程度で、24時間体制で航行しています。週末や連休、夏休みなど行楽客で混雑する時は、臨時便を増やすなどして対応しているようです。

 たこフェリーの乗客用のデッキは2層あり、下のデッキにクルマやトラック、オートバイ、自転車などを置き、上のデッキには乗客らが乗ります。輪行するときは、袋の入った自転車を上のデッキまで持ち上げなければならないので苦労します。上のデッキまでの階段は急で、とても狭いため、重い荷物を引き上げるのに適していません。輪行せず、裸のままの自転車を下のデッキに置いた方が楽です。自転車の運搬料200円を別途支払わなければなりませんが、デッキの上に担ぎ上げることを思えば、安いものだと思います。

 ◆淡路島北部の岩屋港で録音しました。「たこフェリーに乗って淡路島へ上陸しました。明石港から岩屋港までは20分ほどで着きます。ここからは明石海峡大橋や、対岸の神戸市垂水区や須磨区の街並みがよく見えます」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間34秒、ファイル容量270KB、MP3形式)

 ◆地元の足・たこフェリーについて録音しました。「たこフェリーは、自転車を乗せても片道520円というお得な乗り物です。明石方面へ自転車でお買い物に行くのにとても便利であるため、たくさんの地元の方々の生活の足として活用されています」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間18秒、ファイル容量147KB、MP3形式)

 ◆明石海峡大橋のたもとにある道の駅「あわじ」で録音しました。「これから播磨灘を右手に見ながら、お宿をとってある五色町へ自転車を進めます。五色町は、播磨灘に沈む美しい夕日が見られることで有名です。きょうは天気がいいため、夕日が見られるかも知れません」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間32秒、ファイル容量255KB、MP3形式)

クリックすると拡大します。
明石港を出発した「たこフェリー」は巨大な明石海峡大橋の下をくぐって淡路島の岩屋港に向かいます。
明石海峡大橋に接近しました。橋はたくさんの太いワイヤーで支えられています。
明石海峡大橋の真下まで来ました。橋の上には、たくさんのクルマが走っています。
「たこフェリー」は橋をくぐって反対側に出ました。明石海峡大橋は、天候によって風が非常に強いこともあることから、徒歩や自転車での通行は禁止されています。
岩屋港に到着しました。自転車を組み立てて、明石海峡大橋のたもとで休憩しました。
野島断層。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
北淡町震災記念公園に保存されている活断層「野島断層」です。95年1月の阪神・淡路大震災のときに地表へ出現しました。

 岩屋港に着いてから、自転車を組み立て、五色町のお宿に向けてペダルを回し始めました。時刻は午前11時になっていました。東京駅で新幹線に乗って5時間後には、淡路島で自転車のペダルを回せるのですから、やはり交通の便はとてもいいと思いました。淡路島と東京からすぐ近くの島です。

 五色町へは、播磨灘を右手に見ながら走る地方道31号線を通っていきました。島の反対側を通っている国道28号線に比べれば、地方道31号線の交通量は少ないと思います。国道に比べて大型トラックの通行が少ないだけでも、自転車ライダーにとって大きな救いとなります。

野島断層が引き起こしたズレは地下深くまで続いています。

 途中、北淡町震災記念公園に立ち寄りました。1995年1月に発生して大災害となった阪神・淡路大震災をきっかけとして開設された震災記念公園で、この地震で地表に現れた活断層のひとつ「野島断層」をそのまま保存して展示してあります。この震災では6000人あまりの方々が犠牲となり、淡路島でも多くの方が亡くなったりケガをされたりしました。公園の敷地内にある鎮魂の碑「べっちゃいないロック」の前で黙祷を捧げました。「べっちゃいない」は、この地方の方言で「大したことない」「大丈夫」という意味だそうです。

 北淡町は、05年4月1日に周辺4町と合併して淡路市になりましたが、北淡町震災記念公園には「北淡町」の名前が残っていました。

大震災では、淡路島でも多くの方が亡くなったりケガをされたりしました。北淡町震災記念公園に保存されている野島断層を上から見た写真です。地表に段差が見えます。

 ◆北淡町震災記念公園で録音しました。「北淡町震災記念公園では、1995年1月の阪神・淡路大震災の活断層のひとつ“野島断層”が保存されています。活断層が盛り上がっているのがよく分かり、そのスケールの大きさは圧巻です」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間34秒、ファイル容量266KB、MP3形式)

 ◆北淡町震災記念公園で地震の怖さ体験したときに録音しました。「震災記念公園には阪神・淡路大震災で起こった震度7という激しい揺れを人工的に体験できる施設がありました。民家に見立てた部屋の中に入り、揺れを体験するものですけれど、あまりに揺れが激しいため、とても立っていられません」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間28秒、ファイル容量221KB、MP3形式)

五色町のお宿で、おいしい夕食をたくさんいただきました。

 夕方5時頃、五色町のお宿に到着しました。数日前に宅配便で送った1週間分の着替えなどの荷物も無事に届いていて、ほっとしました。この大荷物を持ったままで、岩屋港から五色町までの約35キロメートルの道のりを自転車で走ることは不可能でした。お宿の方に感謝しなければなりません。これからのツーリングでも、荷物は事前に宅配便で送ることに決めました。

 あしたは、淡路島の離島・沼島(ぬしま)や淡路島最高峰の諭鶴羽山(ゆづるはさん)を越える本格的なツーリングにでかけるため、この日は夕ご飯をいただいてから、早々に休みました。

 ◆淡路島第2日目のツーリングレポート「離島・沼島で伝統が受け継がれる」へと続きます。この段落をクリックすると次のレポートへリンクします。



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