| 利根川河口堰(利根川大橋)。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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利根川河口の銚子・犬吠埼から自転車のペダルを回してきたわたしは、自転車や歩行者の通行を考慮に入れていない橋や、立て続けに起きたパンクに苦しめられました。しかし、前へ進めば進むほど、問題はさらに深刻化しました。自転車が利根川サイクリングロードに近づくと、前編の第1、2の難関に続いて、第3、4の難関に突き当たりました。
第3の難関は、利根川サイクリングロードの始点に行くために必ず渡らなければならない利根川河口堰(利根川大橋)に歩道がなかったこと。第4の難関は、利根川上流方面からの暴風が本格的に吹き始めたことです。 利根川サイクリングロードは、利根川河口堰を渡ったところにあります。利根川河口堰の上には道路がつくってあり、利根川大橋として非常に多くのクルマが通行しています。ところがこの橋の道幅が非常に狭い。銚子大橋よりも狭いように思いました。大型トラックが通ると、歩行者や自転車が通る余地はほとんどなくなります。 わたしは、クルマの通行が途切れるのを待っていましたが、そういう気配はまったくありませんでした。橋を渡るため、恐る恐る道路へ進もうとすると、「ブーッ」とクラクションの大きな警告音を鳴らされ、自転車を入れてくれる余地はありません。それでも、なんとかクルマの流れに紛れ込んで、利根川サイクリングロードへと辿り着きました。二度とこの危険な橋は渡らないことを心に誓いました。 利根川サイクリングロードに足を踏み入れて、まず感じたのが上流から吹き付ける強風です。サイクリングロードは利根川の堤防の上につくってあるため、まともに風を受けてしまいます。どんなに力を入れてペダルを回しても、最高時速が10キロメートルしか出ません。時間は午後3時に差し掛かっていて、目的地の霞ヶ浦畔・民宿しをみ食堂までは、まだ30キロメートル以上あります。 最高速度が10キロメートルだと、平均速度は過去の経験から約半分の5キロメートルほどにとどまってしまいます。30キロメートル走るのに単純計算で6時間もかかってしまうことになります。これでは民宿しをみ食堂に到着するのは夜の9時になってしまい、本日最大の楽しみである夕食を食べ損ねてしまいます。いや、そもそも向かい風のなか6時間もペダルを回し続ける体力があるかどうかも疑問に思えてきました。 | クリックすると拡大します。 |
| 風の影響を考慮に入れるべき。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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利根川の強風は、この日の特別なことではありませんでした。毎年、冬から春にかけて上流から強い風が吹き付けることが多いそうです。利根川は群馬県北部を源流にしているのですが、日本海側の寒気が群馬県の山を越えて吹き付ける「おろし」と呼ばれる強風が、利根川沿いに流れてくるのかも知れません。 走行ルートを考える上で、わたしが目安としているのは標高差と走行距離です。今回の走行ルートの大半は標高1−2メートル地帯が続くため、たとえ利根川を上流に向かって走ったとしても、標高差によるエネルギーのロスは、ほとんど生じないだろうと考えていました。利根川名物の風の影響は考えに入れていませんでした。 利根川サイクリングロードをよく知るライダーの方は、上流からの風が強い冬から春にかけての時期は、河口から上流に向かうルートはできるだけ走らないと話していました。逆に、上流から河口に向かうルートは、追い風を受けてスピードを上げやすいそうです。強い追い風を受ければ、少しペダルを回すだけで軽く時速30キロメートルに達し、スピードの出し過ぎに注意しなければならないほどです。 わたしが強い向かい風により最高時速10キロメートルしか出せなかったのに比べて、仮に追い風で時速30キロメートルを出せるとすれば、1時間あたりに移動できる距離は単純計算でおよそ3倍。風の影響ひとつで、走れる距離がこれだけ変わってくるわけですから、決して無視できません。風向きを考慮に入れていなかった今回の走行計画は、完全に失敗だったと言えます。 |
| 民宿しをみ食堂を目指せ!。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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強い向かい風のなか、わたしは泣きそうになりながらペダルを回しました。速度が出ないばかりか、体温や体力も風に奪われました。このままでは民宿しをみ食堂に到着するのは夜の9時になってしまいます。この時間では夕食の時間には間に合いそうにないため、休憩時間を減らし、なんとか平均速度を7キロメートル台に上げる努力をしました。休憩時間を短くすると、その分、体力の消耗が進み、ますます辛くなります。
ここで、第5の難関“ハンガーノック”(空腹による低血糖状態)に襲われました。当初の計画では、全行程約60キロメートルを、朝10時から休憩時間も計算に入れた平均速度約8キロメートルで走ることで、夕方6時には民宿しをみ食堂に到着する予定でした。ところが、向かい風を受けて、十分な休憩時間も確保できないまま、予想以上に体力を消耗してしまったため、ハンガーノックに陥ってしまいました。民宿しをみ食堂での豪華夕食を期待するあまり、昼食や午後のおやつを少ししか食べなかったのもマイナスに動きました。 仕方がないので、持参していたコンビニのおにぎりを頬ばって、ハンガーノックを解消しました。その後は民宿しをみ食堂のボリュームたっぷりのチキンカツやワカサギフライ、酢豚を思い浮かべながら、必死でペダルを回しました。結局、民宿しをみ食堂に到着したのは午後7時半すぎ。少し遅い時間ですが、民宿しをみ食堂さんのご配慮で、夕食をいただくことができました。 |
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| 民宿しをみ食堂から北浦へ。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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ずっしり重いお肉が詰まったチキンカツ、丸々と太ったワカサギのフライ、甘酸っぱいあんに絡まった酢豚にはパイナップルが入っていて、そのフルーツ風味の香りがたまらなく食欲をそそりました。
チキンカツ、ワカサギフライ、フルーツ風味の酢豚を次々と平らげたわたしですが、あつあつのふっくらご飯だけは食べきれなくなってしまいました。ハンガーノック対策で食べたおにぎりが響いてしまい、民宿しをみ食堂のおいしいご飯を残してしまう残念なことになりました。 食べきれなかったご飯は、民宿しをみ食堂のおかみさんにお願いして、翌日の朝食用として焼きおにぎりに作り直してもらうことにしました。 翌日は、霞ヶ浦の東側にある北浦に行くことにしました。霞ヶ浦は、これまで何度か自転車で来たことがあるのですが、北浦に足を伸ばすのは今回が初めてです。ただ、残念ながらこの日は、どんよりとした曇り空でした。雨が降りそうな気配もあったため、わたしは北浦を見たあと、すぐに引き返してJR成田線・佐原駅から帰宅しました。 霞ヶ浦と北浦との間には、標高20−30メートルの小高い丘があり、最短部の直線距離で約5キロメートルあまり離れています。この付近の主要な国道や県道は、交通量がとても多いため、わたしは、あまりクルマが通らないだろう細い農道のような地方道を選んで注意深く走りました。 実際、北浦まで走ってみると、霞ヶ浦に比べて全体的に交通量が少ないような印象を受けました。今度、時間をとってゆっくり走ってみたいと思っています。 |
| 霞ヶ浦自転車道の現状。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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ところで、今、霞ヶ浦の北側にサイクリングロードが建設されようとしています。このサイクリングロードは、JR鹿島線・潮来駅がある潮来市街地からJR常磐線・土浦駅のある土浦市街地までの約40キロメートルを、霞ヶ浦の北側に沿って通る予定だそうです。この大規模な自転車道の名称は「潮来土浦自転車道」で、一般に「霞ヶ浦自転車道」と呼ばれています。 「霞ヶ浦自転車道」は、土浦駅付近で、さらに約40キロメートル離れたJR水戸線・岩瀬駅まで通じている大規模自転車道の「岩瀬土浦自転車道−つくばりんりんロード−」と接続しています。すでに完成している「つくばりんりんロード」と、現在工事中の「霞ヶ浦自転車道」をつなげて走れば、全長およそ80キロメートルにもなり、河川沿いでないサイクリングロードとしては国内最大級になりそうです。 そこで気になるのは、「霞ヶ浦自転車道」の完成具合です。工事を担当している茨城県土木部によれば、2005年度(2006年3月期)末までに33%を完成する計画だということです。全長40キロメートルの33%といえば、13キロメートルちょっと。まだまだ完成には遠い道のりのようです。工事を始めたのは2000年からで、すでに5年間も工事を続けているのですが、サイクリングロードの基盤となる霞ヶ浦北側の護岸工事が遅れが影響して、思うようには進んでいないとのことです。 サイクリングロードは、霞ヶ浦の堤防沿いに建設されているのですが、この堤防などの護岸工事は国土交通省が管轄しているそうです。茨城県としては、この工事が進まないことにはサイクリングロードの整備ができないため、完成のめどは、今のところ立っていないということです。ただ、計画そのものは現在も続いており、近い将来には完成する可能性はあります。開通する日が、今からとても楽しみです。
【民宿しをみ食堂の概要】 |
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