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江戸川サイクリングロードで東京湾へ
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首都圏3大サイクリングロード。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 2004年夏、江戸川サイクリングロードを走りました。全長約60キロメートルのよく整備されたサイクリングロードで、首都圏近郊では多摩川サイクリングロード、荒川サイクリングロードと並ぶ規模と整備レベルの高さです。わたしは、JR宇都宮線(東北本線)栗橋駅から利根川サイクリングロードに入り、関宿城(せきやどじょう)博物館付近で分岐する江戸川サイクリングロードへ入りました。

江戸川サイクリングロードを快走する。舗装路の整備状態がとてもよく、ペダルを回すのに専念できます。クリックすると拡大します。

 これまで、首都圏近郊3大サイクリングロードのうち、多摩川サイクリングロードと荒川サイクリングロードは完走した経験があるのですが、江戸川サイクリングロードは走ったことがありませんでした。タイヤの細いオンロード型の自転車の乗っていらっしゃる方が「江戸川サイクリングロードで練習する」という話しを聞いて、「整備状態がとてもいい」という印象を受けました。

 サイクリングロードのなかには、未舗装・未整備部分が多い道も少なくありません。しかし、基本的に舗装された道しか走れないオンロード型の自転車のライダーが好んで走られているということは、つまり、「舗装されていて、なおかつ舗装状態がとても良好である」ことを示しています。

 わたしは、JR宇都宮線(東北本線)栗橋駅まで輪行(自転車を袋に入れて電車などで運搬すること)し、ここから江戸川サイクリングロードの終点(下流側)である東京湾の葛西臨海公園を目指すことにしました。栗橋駅から葛西臨海公園までの走行距離は75キロメートルほどになります。

 栗橋駅から江戸川サイクリングロード最北端(上流側始点)までは、利根川サイクリングロードが整備されています。江戸川は利根川の分流のひとつで、利根川の水が江戸川に流れ込んでいます。この利根川と江戸川の分流点に関宿城(せきやどじょう)跡があり、今は、関宿城博物館として往時の城が復元されています。わたしは、まず、この関宿城を目指すことにしました。

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今回の活動地域を示した図です。クリックすると拡大します。
江戸川サイクリングロードの全行程を示した図です。クリックすると拡大します。
江戸川サイクリングロードの高低差を示した図です。地形測定ソフトのカシミール3Dを使って制作しました。ほとんど標高差がありません。
関宿城(せきやどじょう)周辺の地図です。江戸川サイクリングロードの上流側の始点に関宿城があります。
関宿城(せきやどじょう)を目印に。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
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JR宇都宮線の栗橋駅前にて。
栗橋駅からすぐのところにある利根川橋を渡って対岸へ。
利根川橋からJR宇都宮線の鉄橋を望む。利根川は大きい。
利根川サイクリングロードで関宿城目指して出発するところです。これから全行程75キロメートルの走破を目指します。
関宿城向けていざ出発!
利根川越しに関宿城を望みました。わたしの左肩の後ろの方に、小さく関宿城の天守閣が見えます。

 栗橋駅からは、まず利根川橋を渡って利根川の北側に出ます。利根川沿いの利根川サイクリングロードを下流に向かって境大橋まで行きます。境大橋(さかいおおはし)は、その名の“境”の通り、千葉県と茨城県、埼玉県の3県のほぼ境に位置しています。この付近は、古くから利根川水運の中継地として栄えていて、今から300年あまり前の1671年に天守閣のある立派な関宿城が建築されたそうです。

利根川サイクリングロードで関宿城に向かいました。海から130キロメートルの地点にて。

 関宿城は、1871年の明治政府の新施策「廃藩置県」を受けて、1874年に解体されたとのことです。その後、地域住民の方々を中心とした関宿城復元の要望が高まり、1995年に復元された関宿城が完成しました。

 ◆境大橋の付近には、近代的なショッピングセンターが道路沿いに立ち並んでいました。わたしは、そのなかのハンバーガー店に立ち寄り、朝食をいただくことにしました。これから全長60キロメートルの江戸川サイクリングロードを走りきるには、水や炭水化物を、しっかりと補給しておく必要があるからです。押すと写真が出ます。

 この日は、快晴に恵まれ、太陽の光が燦々(さんさん)と照りつけています。朝食をいただいたあと、境大橋を渡って関宿城(せきやどじょう)に“入城”しました。復元されてから、まだ10年も経っていないこともあり、関宿城は白く輝いていました。城のある位置からは利根川や江戸川が一望できます。

 関宿城の周囲は、ちょっとした公園になっていて、主にオンロード型の自転車に乗っているライダーの方々が休憩していました。時計をみると、午前10時過ぎです。太陽が天高く上がっています。わたしは、日焼け止めクリームを顔や手足に上塗りして、強い日差しでヤケドしないようにしました。

利根川と江戸川の分流付近に「川のまちネットワーク案内図」がありました。これから再び利根川を渡って関宿城に“入城”します。

 江戸川サイクリングロードは、オンロード型の自転車の方々が好んで練習に来ているだけあり、とてもよく整備されています。荒川サイクリングロードほど道幅は広くありませんが、自転車や歩行者の通行量は、それほど多くないため、すいすいと気持ちよく走ることができます。

 ペダルを勢いよく回し、時速20キロメートル前後で、江戸川サイクリングロードを南下し始めました。江戸川の東側は千葉県で、反対側の西側は埼玉県となります。この日、わたしは主に千葉県側を走りましたが、埼玉県側にも同様のサイクリングロードがあるようです。千葉県側の自治体は、関宿城から順に関宿町、野田(のだ)市、流山(ながれやま)市、松戸(まつど)市… と続いていきます。

グライダー滑空場と醤油工場。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 関宿城から10キロメートルほど走ると、河川敷にグライダー滑空場がありました。滑空場には芝生が植えてあり、そのうえにグライダーが3−4機ほど駐機していました。グライダーとは、エンジンのない飛行機(滑空機)で、みずからの力で飛行場から飛び立つことはできません。このため、グライダーを大空へ引き上げるエンジン付きの軽飛行機が2機ほど駐機していました。

関宿城を背景に記念写真を撮りました。白く輝くきれいなお城でした。

 軽飛行機は、グライダーにロープをひっかけて牽引(けんいん)したまま離陸し、上空でグライダーを切り離します。軽飛行機はグライダーより早く着陸して、次のグライダーを、また大空へ牽引するという作業を繰り返しています。滑空場の近くには、どこから飛んできたのか、パラシュート(落下傘)をつけて滑空するパラグライダーも数個、飛んでいました。

 空を見渡すと、複数のグライダーやパラグライダーが飛び交い、とても賑わってます。天気がよく、気流も穏やかなため、きょうが絶好の“滑空日和”なのかも知れません。わたしも、滑空するような気分で、ふたたび自転車のペダルを漕ぎ始めました。

 しばらく走ると、千葉県野田市に本社をおく醤油メーカーのキッコーマンの醤油工場が進行方向左手に見えてきました。古い醤油の蔵が大切に保存されていました。キッコーマンの会社沿革を見ると、1917年に野田醤油(現キッコーマン)を設立したとあります。きっとこの江戸川沿いの野田市付近が創業の土地であったのだと思われます。

 ◆醤油工場に関連してつくった語呂合わせを録音しました。「江戸サイや、濃緑の道、醤油風」。緑に包まれたサイクリングロードに醤油の香りが漂ってくるという趣旨です。クリックすると再生します。(録音時間9秒、ファイル容量70KB、MP3形式)

クリックすると拡大します。
関宿城の周囲は公園として整備されています。自転車ライダーの格好の休憩場所になっています。
グライダー滑空場がありました。
飛行機が並んでいます。
キッコーマンの醤油工場の一部施設です。歴史を感じます。
消防訓練? 野焼き? それとも火事?! (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
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この先、しばらく走ったところで、河川敷から白い煙が上がってるのが見えました。
河川敷が燃えていました。
進行方向のサイクリングロード上に消火活動を見る人があふれて、先へ進めなくなりました。
仕方がないので、わたしも河川敷の、少し離れたところで消火活動を見学させてもらうことにしました。
突然、赤い炎が草の根元あたりから吹き出しました。
3mほどの火柱があがりました。
正面から撮った写真です。消防士は勇敢に消し止めていきます。

 野田市を抜けて、流山(ながれやま)市に差し掛かるあたりで、遥か前方の河川敷から白い煙が上がっているのが見えてきました。最初は「野焼き」かと思って、そのままペダルを回しましたが、現在、野焼きは、大気汚染を防止する目的で、原則として禁止されているので、おかしいと思いました。

軽快に江戸川サイクリングロードを走る。自転車や歩行者の通行量は少ない。

 近づいて見てみると、河川敷の草が燃えています。わたしが現場に到着したときは、すでに幼稚園の運動場くらいの面積の草が灰になっていて、10人程度の消防士の方が、消火ホースを使って水を散布しています。消防士の方々は、草のなかから、ときおり吹き上げる赤い炎に動じることなく、冷静に水を散布しつづけています。

 わたしは、江戸川河川敷の草が燃えていて、消防士が消火活動をしているという現象は掴めても、それがどういう背景によるものなのかは、けっきょく分かりませんでした。まず、考えられるのは「消防訓練」、その次に「野焼きの後処理で消火している」、「自然発火や放火による事故・事件」の3つ。けっきょく、いまでも分からないままです。

 サイクリングロードには、消火活動を見にきたご近所の方々でいっぱいです。近所の方々も、どういう経緯(いきさつ)で消防士が消火活動をしているのか、あまり分からない様子で、「どうしたの?」「なにがあったの?」と、ぼそぼそ話しているのが聞こえてきました。

 東京湾に向けて自転車を進めようにも、サイクリングロード上に、たくさんの見学客がいるため、前に進めません。仕方がないので、少し離れた場所で、消火活動の成り行きを見守ることにしました。しばらくすると、地元の消防団の方々数人がが河川敷を訪れて、消火活動に加わりました。

大量の白煙が風下の方角へ流れていきます。

 全身、防火服に身を包んだ消防士が、最前線で消火しているのに対して、消防団の方々は、すでに燃えて灰になっている草の“燃えカス”に水をかけていました。燃えカスといっても、中身は依然として高温のままなので、再発火しないよう、温度を下げる作業をしているのです。

 河川敷の草の背丈は2メートルほどあり、消防士の背より大きく伸びています。よく観察していると、火を噴いているのは、青々と茂っているナマの草ではなく、地面に落ちて、乾燥している枯れ草のようです。消防士の足下から、枯れ草に着火した炎が吹きしたとき、あまりに火勢が強かったため、一瞬、消防士が後ずさりしました。

 しかし、次の瞬間、消防士は消火ホースを持ち直して、吹き出す炎に向けて勢いよく水を吹き付けます。誰もが怖れる火炎に向かって、勇敢にも水を浴びせて消し止める消防士のみなさんの仕事ぶりは、ほんとうに尊敬します。こういう素晴らしいプロの仕事ぶりを見ると、ちょっとだけ、住民税・所得税を支払っていてよかったと思えるようになります(笑)

葛西臨海公園に着く。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 消火活動が一段落してから、わたしは、再び江戸川サイクリングロードを東京湾を目指して走り始めました。しばらく走ったあと、江戸川を挟んで東京都葛飾区と千葉県松戸市のあいだにかかる葛飾大橋をすぎた付近で録音しました。次の段落をクリックすると再生します。

 ◆「先ほど、葛飾大橋を渡りました。いま、JR常磐線の鉄橋の近くにきています。もうすぐに東京湾に出ますので、そこから輪行して帰ります。江戸川サイクリングロードは、荒川や多摩川のサイクリングロードより自転車の交通量は多くありませんが、とてもよく整備されていて、走りやすい自転車道でした。自然も豊かです。いま、夕方なので、犬の散歩が多い」という趣旨を話しています。クリックすると再生します。(録音時間1分02秒、ファイル容量487KB、MP3形式)

 東京都江戸川区の江戸川大橋まで下ってきたところで、江戸川は「旧江戸川」と「江戸川放水路(現・江戸川)」の2本に分かれます。葛西臨海公園へは「旧江戸川」沿いのサイクリングロードを走ります。

 旧江戸川は、本来の江戸川の本流だったそうですが、洪水を防止するために、新しく放水路をつくって、海へより大量に水を放出できるようにしてあります。今では、この放水路の方が、江戸川の本流という位置づけのようです。旧江戸川沿いのサイクリングロードを下ると、進行方向左手に東京ディズニーランドが見え、右手に葛西臨海公園が見えます。

本日終点の葛西臨海公園に無事到着しました。公園のシンボルである大観覧車の前にて記念写真を撮りました。

 わたしは、葛西臨海公園で少し休憩をしてから、最寄り駅の東京メトロ・西葛西駅まで移動し、そこから輪行して帰りました。葛西臨海公園から西葛西駅までは、遊歩道が整備されていて、クルマに脅かされることはありません。

 体力のある方は、葛西臨海公園を挟んで向こう側にある荒川サイクリングロードを上流に向けて走ってもいいかも知れませんね。帰宅するにしても、この付近は、JR京葉線や東京メトロ東西線、都営地下鉄新宿、JR総武本線など、たくさんの鉄道が走っていますので、とても便利です。

 江戸川サイクリングロードは、都心に近く、とてもよく整備された自転車の楽園とも言える道です。涼しくなったら、また走りに来たいと道のひとつです。

クリックすると拡大します。
江戸川の下流域の詳細図です。クリックすると拡大します。
河川敷に、すっかり乾燥してしまったミミズがいました。
もう、東京湾は間近です。ちょっと休憩しました。ゴールが近づいていることが分かると、なぜか休憩したくなります。
川幅が広く河口も近い。
すっかり夕暮れです。ちょっと休憩が長すぎたようです(笑)。この写真は旧江戸川に分流した付近で撮影したものです。


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