塩山から大菩薩峠、甲斐大和へ
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出発は小雨が降る。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
地図をクリックすると拡大します。

 7月上旬、梅雨の晴れ間に、大菩薩峠(だいぼさつ)の入り口まで行ってきました。JR中央線の塩山駅(えんざん=山梨県)から県道201号線を上日川峠(かみひかわ=標高約1500m)まで登り、そこから県道218号線でJR中央線の甲斐大和駅(かいやまと)まで下りました。

 ◆上日川峠は大菩薩峠の入り口で、大菩薩峠に登るハイカーは、上日川峠まで車で来て、そこから頂上を目指すようです。全体の地図を右に掲載しましたので、ご参照ください。押すと写真が出ます。

 朝4時に起きて、中央線直通の総武線に乗りました。この日の天気予報は晴れ。降水確率は0%。ところが、中央線の車窓から見える空は、どんより曇って、ぱらぱらと小雨が降っていました。

青空が広がる塩山。

 中央線の電車が八王子を過ぎて、高尾に着いたときには、あたり一面に霧が立ち込め、視界も悪くなってきました。天候がこのまま悪ければ、折り返して帰宅しなければならないと思ったときでした。急に天気がよくなったのです!

 笹子トンネルを過ぎて、塩山駅の手前にある勝沼町の長いトンネルを過ぎた時点で、これまで周囲を覆っていた霧が晴れ、青空になりました。

 車窓から陽光が差し込み、眩しく感じました。朝6時過ぎの中央線下り電車は、登山客が多く乗車していることもあり、車内のあちこちから歓声が上がりました。地元の人は、この現象を「馬の背割り」(うまのせわり)と呼んでいるそうです。「馬の背」を「山脈」に喩えたもので、今回のように山の手前(東京側)は雨で、山の向こう側(塩山側)は晴天というとき、「まるで馬の背割りのよう」と使うとのことです。


親方さま。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
晴天の塩山駅前にて。
 ◆今回は、いい意味での“馬の背割り”であり、塩山に着いたときは、晴天でした。駅前には親方さまこと、武田信玄(戦国武将)の銅像がありました。塩山駅前から県道201号線が大菩薩峠方面に伸びています。塩山駅からひたすら坂道が続きます。押すと写真が出ます。

 ◆県道201号線は、国道411号線とほぼ平行に走る細い道です。大半の車は、国道を走るため、県道201号線は比較的交通量が少なく、助かりました。この県道の両脇には、桃や葡萄畑が続いていました。ちょうど収穫時期と重なっていましたので、辺り一面、甘い果物の香りが立ちこめていました。この県道は「一葉の道」(いちようのみち)名付けられてしまた。押すと写真が出ます。

 ◆葡萄畑を背景に、一葉の道にて〜その2〜押すと写真が出ます。

茶屋でアイスクリームを食べる。

 ◆「一葉の道」を約10キロほど登ると、大菩薩峠に登る林道に入ります。この入り口の茶屋でアイスクリームを食べました。一葉の道の約10キロは、なだらかな坂道で、わたしの体力でも十分に登れます。でも、強い日差しの下で、急に運動を始めたため、ちょっと頭がふらふらとしてきました。このタイミングで、涼しい茶屋のアイスクリームを食べられたことは幸運でした。写真は顔が火照って赤くなったわたしです。押すと写真が出ます。

 ◆茶屋の名前は、「番屋茶屋」です。すっかり涼を取って元気が出てきたので、店の前で記念撮影をしました。店の女将さんから、おまけで「スモモ」を1ついただきました。農家の方からのお裾分けで、今朝、もぎたてのスモモだということです。みずみずしく、とても美味しく思いました。女将さん、ご馳走様でした。押すと写真が出ます。

 ◆「番屋茶屋」の前は、バス停になっていました。バス停の名前は「大菩薩峠登山口」とありました。おそらく路線バスで運んでくれるのは、ここまでで、健脚の人は、ここから大菩薩峠を目指して歩くようです。でも、多くの人は、わたしがこれから目指す上日川峠(約1500m)まで車で行き、そこから目の前の大菩薩峠に登るそうです。オートバイで上日川峠に行く人たちもいました。押すと写真が出ます。


本格的な上り坂。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
急な上り坂のため休憩。

 ◆バス停「大菩薩峠登山口」から、大菩薩峠の入り口に当たる「上日川峠」(かみひかわ)までは、急な坂道が続きます。急な斜面の、またその上の方に「第十六番礼所」がありました。神社かなにかの宗教施設だと思います。杉の林のなかに石段があり、石段の周囲には、お地蔵さんや祠(ほこら)が幾つかありました。押すと写真が出ます。

 ◆参道は、きれいに掃き清められていて、手入れがなされていました。わたしが自転車で走ったのは、この参道ではなく、平行に走る県道201号線です。この写真では、左手に少し見える舗装路です。上日川峠に至るまで、舗装路は、とてもよく整備されていました。押すと写真が出ます。

 ◆いよいよ坂がきつくなってきたので、ちょっと休憩することにしました。小腹も減ったので、持ってきたお菓子を食べました。JR中央線で笹子トンネルを抜けるまでは霧が充満して小雨が降っていたとは想像もつかないくらい晴れ上がりました。時間がたつにつれて、ますます日差しが強くなってきたため、木陰にでも入らないことには、暑くてたまりません。押すと写真が出ます。


◆上日川峠に向かう途中の県道210号線は、傾斜10度を超えるような急な坂の連続でした。坂道を力強く(?)登る姿を5枚の連続写真に収めてみました。押すと写真が出ます。
◆最も軽いギアーに入れても、ペダルが重い! ハンドルを掴む腕と、ペダルを漕ぐ足の、四肢合わせた力で坂道を登る。でも、長続きしない…。力を抜くと、すぐに失速して、バランスを崩してしまいます。押すと写真が出ます。
◆通常、腕の力は、足の5分の1程度と小さいものなのですが、それでも腕で上半身をしっかり固定することで、ペダルを漕ぎ下げるのに集中できます。押すと写真が出ます。
◆再び、気を取り直して、ペダルを漕ぎ始める。自転車で力強く前に進むには、意外と腕の力が重要です。押すと写真が出ます。
◆そう頭で思い浮かべても、坂道の傾斜が10度を超えると、もう筋肉が動かなくなってしまいます。写真は停止寸前の様子で、このあと、すぐに自転車を降りて、押して歩くことになりました(爆)押すと写真が出ます。

上日川峠に到着。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
やっとの思いで着きました!

 ◆上日川峠(かみひかわ)に着きました! アイスクリームを食べた「番屋茶屋」から、ほぼ8割方を押して歩いたわたしは、もう、へとへとです。「番屋茶屋」から上日川峠まで、直線距離だと3キロほどで、実走距離でも10キロ未満でした。しかし、この短い距離で、標高差が約700〜800mもあるため、坂道がとても急です。写真は、大菩薩峠登山道の入り口にて。押すと写真が出ます。

 ◆大菩薩峠への登山道の入り口には、「ロッヂ長兵衛」があります。ちょっとした軽食や飲み物を販売しています。この日は、晴天に恵まれたことから、多くの登山客で賑わっていました。押すと写真が出ます。

 ◆上日川峠の近くには、大菩薩峠以外に、もうひとつ大きな特徴があります。それは東京電力が建設した上日川ダム(東京電力のパンフレットでは「大菩薩湖」とある)があります。上日川峠を越えると、すぐに上日川ダムが見えてきます。押すと写真が出ます。

 この日は、電車で塩山に向かっているときと同じように、峠(トンネル)を越えると天気が急変しました。以下の写真は、天気が急変したことを示したものです。左側の写真は、上日川峠を越える前に塩山方面に向かって撮った写真です。右の写真は上日川峠を越えてすぐのところにある上日川ダムのところで撮った写真です。明らかに雲行きが違うことがよく分かります。

晴天 曇天
◆上日川峠を越えるまでの青空。押すと写真が出ます。 ◆上日川峠を越えたあとの曇天。押すと写真が出ます。

 たぶん、ここからまた上日川峠を塩山側に戻れば、また晴天の青空が見られることでしょう。「馬の背割り」とは、ほんとうによく言ったもので、山のこちら側とあちら側とでは、天気が豹変(ひょうへん)することが珍しくないということが分かりました。山を走るときは、ほんとうに、いつ雨に降られても対応できる余裕が必要です。


原発の力。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
雨が降りそうになってきて凹む。

 ◆この人造湖「上日川ダム」の管理事務所前で、観光客向けに説明員がダムの役割を解説していました。この写真の右側でこちらを向いて手を挙げている青い服のおじさんが、東京電力の説明員です。押すと写真が出ます。

 ◆おじさんの話によれば、上日川ダムは、新潟県の「柏崎刈羽原子力発電所」(かしわざきかりわ)で発電した電気の力を使って、標高差約700mも下流にある「葛野川ダム」(かずのがわ。別称:松姫湖)から水を汲み上げているそうです。上日川ダムの周囲には、大きな川もないのに、水が満々とあるのは、新潟県にある原子力発電所の力だそうです。押すと写真が出ます。

発電所の放水トンネルの位置関係。

 ◆では、なぜ標高差約700mもの下流にある葛野川ダムから水を汲み上げるのかというと、昼間、静岡県などの工場で使う電気が足りなくなったときに、この標高1500m近い高さにある上日川ダムから放水することで発電するためなんだそうです。電気は「電気そのもの」では備蓄することができないため、高いところに水を汲み上げることによる「高度差」にエネルギーを置き換えることで備蓄するという発想です。押すと写真が出ます。

 ◆標高差約700mという“超高落差”は「世界最大級」だそうです。上日川ダムから流れ落とす水で発電できる最大量も、160万キロワットで国内最大とのことです。押すと写真が出ます。

上日川ダムの巨大な堤防。

 運転開始は1999年で、実は、前回、わたしが雁ガ腹摺山(がんがはらすりやま)に行くときに通った真木小金沢林道(まきこがねざわ)の通行止めになっていた部分の地下に、上日川ダムと葛野川ダムを結ぶ放水路トンネルが掘ってあるそうです。このため、通行止めになっていても、東京電力の保守担当のおじさんたちは、頻繁に訪れているようです。

 ◆発電所の概要は、上の地図で示した通り、上日川ダムから葛野川ダムに向けて、標高差約700m、延長約3200mの地下トンネルを建設し、このなかを高い圧力がかかった水が流れ落ちる仕組みになっています。夜間など電気が余ったときには、下流の葛野川ダムから上日川ダムまで、水を汲み上げます。このため、この仕組みの発電所を「揚水式発電所」と呼ぶそうです。地下トンネルの内径は8.2mあるそうです。写真は発電所から延びる送電線とわたし。押すと写真が出ます。


無事に甲斐大和に到着。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
甲斐大和の駅前にて。

 ◆上日川ダムからは、県道218号線で、一気に下ることができました。かかった時間はわずか2時間(休憩時間を含む)。塩山駅から朝7時すぎから登り始めて、上日川ダムに到着するまで約7時間(休憩時間含む)もかかったことを考えると、信じられない早さです。下りの坂道は、とても危険ですから、慎重のうえにも慎重に、ゆっくり下ってきました。甲斐大和駅での写真です。押すと写真が出ます。

 翌日、近所のスーパーに行ったら、塩山市で採れた桃が1個100円で売っていました。買って食べたら、甘くてとても美味しかった。



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