| 高原鉄道を活用。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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この夏、どこへ行こうか迷っている方に涼しい山岳ツーリングをお勧めする「2006年夏休み、行くなら山梨特集」第1回目の自転車ツーリングレポートです。標高2000メートル級の巨大山脈に囲まれた山梨県・甲府を元気よく走りました。昨年夏のツーリングをベースに山梨県の魅力を存分にご紹介いたします。
甲府までは、東京・新宿からJR特急あずさ号でわずか2時間弱。首都圏から気軽に行けるのが魅力です。駅を下りると周囲は山だらけ。南アルプスや八ヶ岳など国内最高峰クラスの険しい山々が目の前に立ちふさがります。ちょっとした峠でも標高1000メートル以上あり、容易の登れそうにありません。わたしのような素人は苦労しそうですが、山岳サイクリングが好きな方々ならたまらない一大リゾートエリアです。 わたしの体力では、大きな峠は越えられそうにないため、電車で高台まで牽引(けんいん)してもらい、そこから自転車で下ってくる方法を採用しました。山梨県には全国でもっとも標高の高いところを走る鉄道「JR小海線(こうみせん=愛称:八ヶ岳高原線)」があり、これを活用すれば最高で標高1375メートルまで引き上げてくれます。 当初、旅行を計画するとき、甲府盆地にお宿を構えて始発電車で山腹まで運んでもらう方がいいのか、あらかじめ高台の山間部にお宿を構えて夕方の電車で引き上げてもらう方がいいのか迷いました。結局、万が一、山手の方に登る電車に乗り遅れると、お宿に戻れなくなることが予想されたため、坂の下の盆地にお宿をかりることにしました。 甲府市内は手頃なお値段の民宿が少なかったため隣町の石和温泉(いさわおんせん)にあるとっておきのお宿に泊まらせていただきました。もちろん効用たっぷりの温泉付きです。サイクリングの疲れをお湯で癒し、毎晩心地よい眠りにつくことができました。石和温泉にはたくさんの宿泊施設があり、その多くが温泉をひいています。庶民的な民宿も多いのでお勧めです。 | クリックすると拡大します。 |
| さっそく牽引してもらう。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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第1日目はさっそく大標高の峠に登りました。高さ1470メートルの信州峠です。わたしの脚力だけではとても登り切れない大峠ですが、途中まで山岳電車に乗っていくことで難なく越えることができました。 宿泊先の石和温泉の駅から始発電車に乗り、標高1130メートルの小海線・信濃川上駅で降りて自転車を組み立てました。ここまで引き上げてもらえば、信州峠までの標高差はわずか約340メートル。わたしの遅い足でも2時間もあればで登れる高さです。 駅前には何台かの自動販売機と民宿の看板、地元名産の川上犬(かわかみけん)の案内が掲げてありました。真夏でも朝夕は少し寒いくらいですから避暑には最適です。夏休みを涼しい川上村で過ごそうという首都圏の観光客が大勢訪れ、どこの民宿もフル稼働のようです。 長野県の天然記念物にも指定されている川上犬は村のシンボル的な存在で、モニュメントや写真などを使って紹介してありました。この地方に住んでいたヤマイヌを地元の猟師が家畜化したのが始まりだそうです。他の犬よりオオカミの血が濃いためか、全体的にがっしりとした骨格で、頭がよく、運動神経に優れているのが特徴です。全国に300頭しか飼育されていない貴重な犬だそうです。 |
| 信州峠を越える。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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ここは避暑や観光だけでなく、高原野菜の生産が盛んことでも有名です。涼しい高台で育ったレタスなどの野菜をみずみずしいうちに首都圏へ運搬できる地理的優位性。平地との温度差を利用し、出荷時期をずらすことで値崩れを防ぐなど他の生産地にはない強みが多いといいます。
野菜畑の周辺では箱詰めされたたくさんの高原野菜を大型トラクターがせわしそうに運んでいます。国内ではあまり見かけない型のトラクターで、前に荷物を抱えるタイプのフォークリフトの前後を逆にして、荷物を“背負う”ような形をしています。後ろのタイヤの直径はわたしの背丈ほどもあます。 後輪の後ろ側に野菜を積んで、運転手は後輪のほぼ真上に搭乗。エンジンは前方に突き出ていて、フロント部分に重りが取り付けてあります。後ろに乗せる荷物の重さとバランスするよう重りの数を調節しているようです。荷台を地面におろすことができるので、重たい野菜でも簡単に荷台へ載せられます。荷台が高いところにある通常のトラックに比べたら作業効率が大幅に高まるはずです。 逆フォークリフト式のトラクターが頻繁に通る農業地を通り過ぎると徐々に坂道がきつくなってきます。登り切ると信州峠です。駅から10キロメートルほどと遠くないのですが登り坂がきついため息が切れます。峠まで登ってしまえば、途中の約3キロメートルの短い登り坂を除き、JR中央線・甲府駅までほぼ一貫した下り坂です。その距離はなんと累計約41キロメートルもあり、これまでわたしが自転車で走ったことのある下り坂の中で最大級の長さです。
信州峠はとても静かな峠です。標高が高くて道が細いため、甲府方面へ行くクルマのほとんどはより近道で道幅が広い国道を通るからです。峠は長野県と山梨県の県境で、これまで登ってきた道が長野県、これから下る道が山梨県です。甲府駅までの標高差は1200メートル近くもあります。信濃川上駅から340メートルほど登っただけで、その3倍以上の標高差を楽しめるなんて何だか得した気分です。 |
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| ほうとうをいただく。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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山梨県側へ下ってしばらくすると山梨名物「ほうとう」の料理店がぽつんとありました。ほうとうは煮込みうどんのような味噌仕立ての郷土料理で、鶏肉や豚肉、カボチャ、ニンジン、ネギ、エンドウなどの具がたっぷり入っています。長野県側では見かけなかっただけに「あぁ、ここは山梨県なんだなぁ」という実感が感じられます。
ちょうどお昼に差し掛かっていたので、ほうとうをいただくことにしました。お店の名前は「甲州ほうとう田舎屋」さん。注文してしばらくすると鉄鍋にはいった熱々のほうとうを出してくれました。厚い生地の麺で、食べ応え十分です。いただいているうちに汗がたらたらとあふれてきました。これが冬だったら体の芯まで温まるだろうなと思いましたが、真夏にいただくのもなかなか味があっていいです。 おなかいっぱいになったところで、甲府方面へ自転車を進めることにしました。信州峠から道なりに坂を下っていくと、甲府駅よりはるか手前で国道に下りてしまいます。国道はクルマでごった返しなので、国道より1本山手を走る農道「茅ヶ岳(かやがたけ)広域農道」に進路を変えて進むことにしました。 甲州ほうとう田舎屋さんからさらに下るとダム湖の「みずがき湖」に出ます。そのまま地方道23号線に合流して道なりに進むと茅ヶ岳広域農道へ分岐する交差点に差し掛かります。うっかりすると通り過ぎてしますほど小さな入り口です。まっすぐ行ってしまうと国道へ真っ逆さまですから慎重に農道へと進路を変えます。ここから3キロメートルほど登り坂になりますが、その後はまた長い下り坂が続きます。 |
| 茅ヶ岳広域農道。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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茅ヶ岳広域農道は、わたしの予想した通りクルマの交通量が少ない理想的な道でした。
途中にあった観光農園ではたくさんのひまわりが満開の花を咲かせていて、あたり一面が黄色の絨毯のようです。大きな花が風に揺られて美しい幻想的な風景を創り出しています。ここは日照時間が全国で最も長い地域で、力強く咲き誇ったひまわりはあふれんばかりの陽光を象徴しているかのようでした。 すぐ近くには世界の花々を観賞できるテーマパーク「山梨県フラワーセンター」もあり、休日には観光バスに乗った団体旅行客もたくさん訪れます。入園料は大人1人500円(06年5月現在)とお得感がありましたが、今回は時間の都合で立ち寄れませんでした。次回はぜひ入ってみたいと思います。 道なりに下っていくと地方道6号線に合流します。ここまでくればもう市街地です。6号線も含めて周囲の道はクルマがひっきりなしに通り、これまでの田園風景とはまるで別世界です。無理に甲府駅まで行かなくても、最寄りの竜王駅から輪行(自転車を袋に入れて電車などで運搬すること)してもよかったのですが、「せっかくここまできたのだから」という軟弱な理由で甲府駅から帰りました。
電車で峠付近まで引っ張り上げてもらい、そこから延々と長い下り坂を下ってくるアイデアはすばらしいと思いました。実はこの手法、当掲示板でもお馴染みでベテラン自転車ライダーのchana(チャナ)さんに教えてもらいました。あまりに長い下り坂で、体を支える腕が痛くなってしまうほどでしたが、もしあれを「登れ」と言われたらとても無理です。電車で牽引してもらうユニークなアイデアによって快適なツーリングを楽しむことができました。chanaさんありがとうございます! ◆次回は、甲府市北側に位置して甲府盆地を一望できる峠道のレポートです。この段落をクリックすると「2006年夏休み、行くなら山梨特集」第2回目の「首地蔵と甲府市街地を一望できる太良峠」へリンクします。 | クリックすると拡大します。 |