修善寺から岩地温泉へ。県道59号線を走る。
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伊豆半島・縦断スタート(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
地図をクリックすると拡大します。

 03年秋、伊豆半島を縦断しました。伊豆半島は、自然豊かな美しい半島ですが、首都圏から近いこともあり、全体的に車の交通量が多いことが挙げられます。また、自然が豊かなな分だけ、大小の山々が連なっており、半島全体が、こんもりと盛り上がっている地形をしています。さらに、伊豆半島自体が、とても大きな半島で、わたしの体力では、1日で縦断することができそうにありません。

 そこで、わたしは、(1)車の交通量が少ない道。(2)起伏が激しいことを予想して、走行距離を1日50キロ以内に設定。平坦な道なら、わたしの体力でも、1日100キロほどは走れるのですが、起伏が激しいと、必然的に走行距離は短くなります。(3)そして、中間地点で1泊することで、伊豆半島の先端=石廊崎(いろうざき)まで走破する計画を立てました。

第1日目の走行地図の詳細です。地図をクリックすると拡大します。

 ◆第1日目は、伊豆箱根鉄道の終点「修善寺駅」(しゅぜんじえき)から、松崎町の岩地温泉まで走ることにしました。左の地図に、走行経路を記しました。押すと写真が出ます。

 ◆わたしは、朝6時23分、東京駅発の「こだま441号」に乗り、1時間後の7時23分に三島駅に着きました。朝6時に新幹線にホームに着いたので、まずは腹ごしらえとしてお弁当を食べました。お弁当は、駅弁では珍しく、暖かくしてあることで有名な「オーベントー」(日本レストランエンタプライズ社製)を食べました。ごちそうさま。押すと写真が出ます。

 ◆東京駅新幹線ホームでお弁当を食べていたら、「こだま441号」が入線してきました。最初は、東海道本線で三島駅まで行くことも考えたのですが、新幹線の約2倍の2時間ほどかかるため、あきらめました。また、特急「踊り子号」で、伊東駅あたりに行くことも考えたのですが、そうなると、自転車で走り始める地点が、海抜ほぼ0メートルに近く、ここから峠を登るのは、時間のロスが大きいと判断しました。押すと写真が出ます。

新幹線こだま号で、三島駅に出発。

 ◆三島駅から修善寺駅までは、約40分ほどで到着します。修善寺駅には、朝8時半ごろに到着しました。1時間に4本ほど走っており、意外に運行本数があると思いました。この写真は、修善寺駅のホームで撮りました。わたしの乗ってきた電車は、折り返し三島駅行きとなります。天気は快晴。とても、すがすがしい気分です。押すと写真が出ます。

 ◆伊豆箱根鉄道とわたし。その2。押すと写真が出ます。

 ◆修善寺駅は、推定・海抜200メートル近くあり、峠を越えるためのスタート地点としては、なかなかいいところです。時間は朝8時半。日が暮れる5時までの約8時間、たっぷり自転車で走ることができます。このときは、夏に比べて、2時間ほど日の入りが早くなっているため、時間配分には、十分気を付けなければなりません。写真は修善寺駅前にて。押すと写真が出ます。

修善寺駅の前にて。天気は快晴。すがすがしい気分。

 修善寺駅から、松崎町・岩地温泉に行くにあたり、わたしなりに走行経路(ルート)を考えてみました。修善寺駅から岩地温泉までのルートは(1)国道136号線。(2)有料道路の西伊豆スカイラインを南下して県道411号で仁科峠(にしなとうげ)まで行き、そこから県道410号で国道136号線に合流。(3)県道346号線から県道59号線に入り、そのまま仁科峠経由で松崎町まで下る。

 消去法で考えると、(1)の国道は論外。車が多すぎ、道幅が狭すぎます。国道なので物資輸送用の大型トラックが通行している可能性が大きい。(2)は、伊豆半島の車の多さを考えれば、やはり避けたほうが無難です。すると、残るのは県道59号線を中心としたルートのみになります。地図を見ると、県道59号線は、「大型車通行止め」と書いてあります。少なくとも大型トラックは通行しないようです。


県道59号線(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
路肩が決壊している県道59号線。(03年10月現在)

 わたしは、先ず、修善寺から県道349号線を、天城湯ヶ島町(あまぎゆがしままち)の町役場まで走りました。県道349号線は、国道136号線と平行して走っている道です。大型車や先を急ぐマイカーのほとんどは国道を走りますので、県道349号線は、たまに、地元の車や農作業車が走るくらいです。自転車でのんびりと走れる、とてもいい道です。

 天城湯ヶ島役場を過ぎて、有名な天城温泉や湯が島温泉を抜けて、県道59号線の入り口まで行きました。このあたりの温泉郷は、非常に高級感がある温泉宿ばかりです。家族連れでワイワイ楽しむというよりは、文豪や政治家、財界人など地位のあるおじさんやおばさんが、膝をつき合わせて、大人の話しを楽しむという雰囲気でした。そんな温泉郷を過ぎると、県道59号線の入り口に着きます。

 わたしは、そこで、愕然とさせられました。県道59号線の入り口に、「車両は通行できません」と看板が立っていたからです。迂回ルートは「国道を通れ」という内容でした。今から国道まで引き返していては、とても夕方までに目的地に到着できません。それに、命の危険を冒してまで、国道を走ることは、もっとできません。

県道59号線を走る。

 しばらく途方に暮れて、その場に座り込んでいると、1台の観光客風のマイカーが、車両通行止めの看板の横を、スーっと通り過ぎて、県道59号線に入っていきました。「なんだ、通れるのかな?」と思って、しばらく様子を見ていると、そのマイカーが、引き返してきました。運転手は、「通行止めじゃないかっ」と、ぶつぶつ言いながら、わたしの前を通り過ぎていきました。もう、しばらく様子を見ていると、同じようなマイカーがまた1台入っていき、しばらくすると、Uターンして引き返してきました。

 「こりゃだめだ」と思い、いよいよ国道を通って迂回する覚悟をしはじめていたときでした。通りがかりの地元の方らしきおじさんが、「あんた、この道を、自転車で走りたいの?」と聞いてきたので、わたしは「はい。でも、車両通行止めと書いてあります…」と答えました。すると、「だいじょうぶ。四輪車は通れないけど、歩行者や自転車は通れるよ」と、親切に教えてくれました。もし、このおじさんに教えてもらわなければ、わたしも、他のマイカーと同じように引き返していました。

緑に覆われた県道59号線。

 ◆おじさんを信じて、県道59号線を進みました。すると、路肩が決壊して、道幅が半分に減少していました。これでは、四輪車は通ることができません。かろうじて、軽トラックや小型自動車が通れる程度です。押すと写真が出ます。

 しかも、決壊している箇所が、1箇所や2箇所ではありません。03年10月現在、わたしが見かけたものだけで、大小合わせて5〜6箇所はありました。最初の決壊箇所と同じように、道幅が半分になってしまっているところや、3分の2になっているところ。ひどいところでは、道幅が3分の1になって、よほど小さい軽自動車でないと、通れない箇所もありました。これでは、通行止めにする他、方法はないでしょう。

 ◆道幅が細くなったとはいえ、自転車や歩行者は、なんとか通れます。最低限、そのくらいの道幅は確保しておかないと、孤立してしまう集落がでてきてしまいます。道路が決壊していることは残念ですが、この影響で、わたしは、車が、ほとんど通らない県道59号線を、自転車で、のんびりと走ることができました。押すと写真が出ます。


美しい眺めの仁科峠(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
美しい仁科峠(にしなとうげ)。

 ◆県道59号線を、しばらく走ると「西天城高原」に出ました。ここは、伊豆スカイライン系の県道と、県道59号線が交わっています。西天城高原には、「仁科峠」(にしなとうげ)や「天城牧場」があります。峠からの素晴らしい眺めや、高原牧場の風景などを楽しむため、西伊豆スカイライン方面から、多くのマイカーやオートバイが訪れていました。西天城高原付近は、観光地ということもあり、道路もよく整備されています。写真は、西天城高原の幹線道路で、西伊豆スカイラインに続く県道411号線です。押すと写真が出ます。

 第1日目の走行のなかで、いちばん標高が高かかったのは、ここ西天城高原でした。推定で標高800〜900メートル近くあると思います。ここまでの道のりは、基本的に登り坂ですが、傾斜度10%を大きく超えるような“激坂”はなく、すべて自転車に乗ったまま、登ってくることができました。仁科峠は、噂には聞いていましたか、とても、美しい峠でした。笹の葉が覆った峠からは、駿河湾がよく見えました。以下に仁科峠付近の写真を掲載します。


【西天城高原・仁科峠および天城牧場での写真】
〜写真および文字をクリックすると拡大します〜
 仁科峠から駿河湾を望む。空気が澄んでいれば駿河湾の向こう側にある静岡市も見える。この日は、海からの風が気持ちよかった。押すと写真が出ます。
 海からの風が強い日が多いためか、高い樹木が少なく、見晴らしがいい。足下には笹(ささ)が多く茂っている。仁科峠の頂上へは、徒歩で歩いて行ける。距離は1.3キロほど。押すと写真が出ます。
 ここ、西天城高原には、天城牧場があり、有刺鉄線の向こう側に牛が放牧されていた。県道の脇に牧場があるというよりは、牧場のなかに県道が走っているという印象。押すと写真が出ます。
 仁科峠から見る。県道411号線西伊豆スカイラインから続く、この道は、マイカーやオートバイがよく通る。道幅も広く、舗装状態がよいため、なかには、猛スピードの車も。押すと写真が出ます。
 このライダーさんたちは、模範的な安全運転の方々。峠のおいしい空気を、思いきり楽しんでいる。みんな、この人たちのようだったらいいんだけど。押すと写真が出ます。

松崎町向けて下る。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
仁科峠で、ちょっと休憩。

 この仁科峠は、とても美しいところです。しかし、今回の伊豆縦断ツーリングで、いちばん「危ないなぁ」と感じたのも、ここ仁科峠でした。仁科峠付近の県道は、幹線道路となっている西伊豆スカイラインから流れてくるマイカーが多い。さらに、この付近は、有料道路なみに舗装状態が良い。このため、何を勘違いしたのか、猛スピードで走るマイカーが少なくないのです。

 仁科峠をすぎて、再び「四輪車通行止め」の区域に入るまでの約2キロほどのあいだで、数台の車が、明らかに100キロ程度と思われるような猛スピードを出して、走り去っていきました。かりに、その車が時速100キロだとすれば、わたしの自転車が時速約20キロなので、この速度差は約80キロになります。

再び、路肩決壊で四輪車通行止めとなる県道59号線。

 ちょうど、電車のホームの端を、自転車で走っていると、その真横を特急電車が通過していくようなもので、とても強い風圧というか、衝撃波のような力を受けます。少しでも、わたしと接触したらと思うと、恐怖を感じました。なかには、Uターンして、何度も、同じ道を、猛スピードで走る車もいるようで、何か、サーキット場と勘違いしているようでした。

 この点では、芦ノ湖に行ったときの「芦ノ湖スカイライン」と同じ、サーキット化した県道が、ここにもあったように思いました。

 天城牧場を抜けるあたりで、県道59号線は、再び「四輪車通行止め」になりました。理由は路肩の決壊。走ってみると、何か所も路肩が決壊していて、道幅が半分くらいに細く削れてしまっているところもありました。あとで聞いた話しなのですが、この59号線は、もう半年くらい、路肩が決壊したままになっているそうです。修復する予算がないのか、不法投棄や自然保護のために、修復を遅らせているのか、真意は分かりません。

山のなかの喫茶店「ねこじゃらし」にて。記念に、自転車で来たことなどを、お店の帳面に書き記す。

 県道59号線を下っていくと、道路脇に喫茶店がありました。松崎町は、もう目の前ですし、基本的に下り坂が続いているハズなので、わたしは、喫茶店で、少し休むことにしました。

 喫茶店の名前は、「ねこじゃらし」さん。自家製ケーキや紅茶、コーヒーなどに加えて、ピザやスパゲッティなど、品揃えが豊富です。この地域一帯はは、清冽(せいれつ)な湧き水が数多くあり、これらきれいな水資源を利用したワサビ栽培が盛んにおこなわれています。「ねこじゃらし」さんでは、これら地元で採れたワサビのピクルスを使ったピザや、湧き水でつくったコーヒーなども揃えています。

 ◆わたしは、手作り「紅茶プリン」と「紅茶」をいただきました。来訪者が自由に書き込める筆記帳があったので、自転車で来たことを書き込ませてもらいました。押すと写真が出ます。

 ◆県道59号線に面した「ねこじゃらし」さんの外観写真です。「ねこじゃらし」さんは、喫茶だけでなく、手作り家具や陶芸、絵画などのギャラリーも手がけています。押すと写真が出ます。

民宿「やまさん」での夕食。

 ◆わたしは、松崎町経由で、岩地温泉まで行きました。松崎町は、鉄道がなく、マイカーやバスでしか行けない人口約8800人の小さな町です。05年3月末には、松崎町と、その隣の西伊豆町、賀茂村と合併するそうです。この写真は、松崎町の入り江の様子を、岩地温泉に行く途中にある高台から撮ったものです。押すと写真が出ます。

 ◆夕方5時近く、岩地温泉にある民宿「やまさん」に到着しました。岩地温泉は、松崎町市街地から約2キロのところにある温泉郷です。民宿のなかに温泉があるので、ゆっくり休めそうです。きょうの走行距離は55.77キロ。 走行時間は8時間23分。平均速度 6.6キロ。最高速度 43.6キロでした。起伏が激しかったわりには、そこそこ走行距離を伸ばすことができたし、それに、なによりも、美しい自然を満喫できたことが、とても楽しかった。夕暮れ時の記念写真です。押すと写真が出ます。

 次は、「美しい山々を越えて、南伊豆の石廊崎へ」に続きます。ここをクリック!



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