陣馬山、醍醐林道から登頂する。
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高尾駅から出発。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 04年4月、京王線高尾駅から陣馬山(標高855メートル)に登りました。陣馬山は東京都八王子市と神奈川県藤野町の県境にある山です。都心から近く、手頃な標高で、交通も便利なことから、晴れた週末には、たくさんのハイキング客で賑わう山です。

京王線・高尾駅前にて。

 陣馬山への道路は主に3つあります。(1)京王線高尾駅から陣馬街道を登る道、(2)醍醐林道(だいごりんどう)を登る道、(3)高尾駅から陣馬山を挟んで反対側に位置するJR中央線藤野駅から陣馬街道を登る道です。

 ◆わたしは、高尾駅から出発し、クルマの通行がほとんどない醍醐林道を登って陣馬山を目指すことにしました。高尾駅前で自転車を組み立て、県道61号線を八王子霊園方面に登り始めました。押すと写真が出ます。

 陣馬街道の入口に続く県道61号線は、2〜3の小高い丘を越えていくため、ゆるやかなアップダウンが連なっています。陣馬街道の入口までは幅2〜3メートルの立派な歩道があるため、安全に通行できます。ただ、この区間におけるクルマの交通量はとても多い。いつも混んでいる都心の道路もびっくりするほどのクルマの多さです。

 郊外の道路では、ちょっとクルマが多いだけで、空気がとても汚れた印象を受けます。空気が悪いと自転車の楽しさが半減してしまいます。しかし、平日、わたしが出勤している東京千代田区のクルマの多さを言えば、ここの比較ではありません。大量のクルマが吐き出す排気ガスに包まれた職場であるにも関わらず、日常生活のなかでは大して気になりません。空気の汚さに麻痺してしまっているのでしょうか? 不思議ですね。

 県道の両側には、大規模な墓地があり、その規模は都内有数のものです。のんびり自転車を漕ぎながら、道の両脇に並ぶ墓石を見ていると、どれもこれもけっこう高そうな感じがします。沿道で営業する石材店や不動産屋に掲げてある値段を見ると、なるほどやはり高い!

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今回走った地図です。赤線が走ったコースです。クリックすると拡大します。
標高差を図形化しました。地理測定ソフト「カシミール3D」で制作しました。
朝早かったので、ついアクビが…。
きょうは山登りなので、軽登山靴を履いてきました。
陣馬街道に入る。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
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川原宿の交差点を左折して、陣馬街道を登り始めたところ。
クルマの行き来がほとんどない醍醐林道。
おやつに柿の種(あられ)とピーナッツを食べました。

 ◆川原宿の交差点に着き、ここで左折して陣馬街道に入りました。陣馬街道に入ると急にクルマの量が少なくなります。ここで気づいたことは、自転車ライダーが多い点です。これまで林道ツーリングに出かけたときは、誰にも会わないか、会うとしても地元の方、林業・土木関係者の方が中心なのですけれど、陣馬街道では、この日だけで計数十人の自転車ライダーの方々を見かけました。押すと写真が出ます。

 多摩川サイクリングロードほどの多さではありませんが、林道でこれだけ多くの自転車ライダーの姿が見えるところは、他にそれほど多くないと思います。高尾駅からも近く、陣馬街道に入ってしまえばクルマの交通量も少ないことなどが、自転車ライダーを増やしている背景にあると思います。

 陣馬街道は、陣馬山頂まで道が続いているわけではありません。山頂(標高855メートル)に行くには、山頂から標高差で約170メートル下の和田峠から徒歩で登っていく必要があります。

 今、わたしは、陣馬街道を和田峠方面に登っていますが、実は、陣馬街道の中ほどから2つのルートで和田峠に登ることができます。ひとつは、このまま陣馬街道を登り続けるルートで、もうひとつは醍醐川(だいごがわ)沿いに敷設してある醍醐林道です。ほんとうに「醍醐林道」呼ばれているのは分かりませんが、ここでは便宜上、醍醐林道と呼ばせてもらいます。

 川原宿の交差点から約6キロメートルほど進むと、醍醐林道の入口である丁字路に差し掛かります。わたしは、丁字路を醍醐林道方面に進み、和田峠を目指すことにしました。ここから和田峠までの距離は約8キロメートルほどで、醍醐林道の入口から和田峠の標高差は約430メートルあります。

醍醐林道を登る。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 醍醐林道の途中には、秋川渓谷(東京都あきる野市)方面に抜けられる入山峠(いりやまとうげ)へ続く分かれ道があります。醍醐林道に入ったあと、1.2キロメートルほど進むと丁字路があり、道なりに真っ直ぐ進めば醍醐林道で、右に折れれば入山峠に続く林道へと続きます。きょう、わたしは陣馬山へ行くので、道なりに真っ直ぐ進み、和田峠を目指しました。

 醍醐林道に入ると、クルマも人も、ほとんど通らなくなりました。この林道は、マイカーでも自由に入ることができる(04年4月現在)にも関わらず、道が細いためか、あるいは陣馬街道を通った方が便利なためか、なぜかマイカーの姿は、限りなくゼロに近いように感じました。

 自転車で走るわたしにとっては好都合で、のんびりゆっくりと林道ツーリングを楽しむことができました。ただ、この区間の山々は、登山客の方が多くて、林道を走っていると、山の斜面から登山客がひょっこり出てくることもあります。登り坂なので自転車の速度が遅く、登山客とぶつかることはないと思いますが、それでも飛び出てくる歩行者にぶつからないよう十分気を付ける必要があります。

 醍醐林道を登り切った付近に、少しだけ未舗装の道があります。これまできれいな舗装路が続いてきたのに、ここだけ未舗装の部分が数十メートル現れ、ちょっと驚きます。和田峠そのものは舗装されているので、逆に、和田峠側から醍醐林道を見ると、まるで未舗装の細いケモノ道が延々と続いているような印象を受けます。

 わたしの勝手な推測ですが、不法投棄などを警戒する地元の方々のアイデアで、醍醐林道へクルマを入れさせないための施策なのかも知れません。

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いい天気です。湿度が低い日でしたので、気持ちよく坂道が登れました。
元気よく醍醐林道の坂道を登る。
けっこう登り坂がきつい。
足と腕の力を振り絞って登る。
陣馬山頂を目指す。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
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和田峠にて。案内看板の後ろ側に、自転車をワイヤーで固定しました。これから徒歩で陣馬山頂を目指します。
陣馬山頂まで延々と続く階段。和田峠から陣馬山頂まで標高差約170メートルある。
頂上への階段を登る。
歌を歌いながら登る。
もうすぐ頂上!

 和田峠には、数十台のクルマが停められる有料駐車場やお茶屋さんなどがありました。マイカーで来た家族連れの姿も見られました。自転車で登れるのはここまでで、陣馬山頂までの標高差約170メートルは、登山道を歩いて登らなければなりません。わたしは、和田峠の紹介が書かれた案内板の裏側に自転車を置いて、山頂を目指しました。

 ◆頂上までは、ほぼ一貫した登り坂で、登山客向けの階段がつくってあります。階段を登りながら録音しました。「階段きついよ。もう疲れちゃった…」と、弱音を吐いています。(録音時間11秒、容量90KB、MP3形式)押すと音声が聞けます。

 ◆自転車を漕ぐときに使う筋肉と、登山道の階段を登るときに使う筋肉とでは、使うところが違うようで、自転車を漕ぐよりも、疲労する速度が速いように思いました。そこで語呂合わせをひとつ。「山笑う、登山の途中、足笑う」。新緑の山々は、まるで笑っているように見えるのにかけて、わたしの足や膝(ひざ)も笑っていると語呂を合わせました。(録音時間19秒、容量60KB、MP3形式)押すと音声が聞けます。

 ◆植林による杉や檜(ひのき)などの針葉樹が多い日本の山林ですが、陣馬山付近は、新緑の眩しい広葉樹が多く残されています。新緑は、広葉樹の方が美しく、山に来る人々の目を楽しませてくれます。「新緑の力強さや陣馬山」。ここをクリックすると再生します。(録音時間7秒、容量57KB、MP3形式)押すと音声が聞けます。

 ◆広葉樹林の新緑を様子を語呂合わせにして、「陣馬山、芽吹いた緑、鮮やかに」。柔らかな緑に囲まれていると、気持ちも自然に和んできます。ここをクリックすると再生します。(録音時間8秒、容量67KB、MP3形式)押すと音声が聞けます。

陣馬山頂に設置されている白い馬の記念像。

 和田峠から30分ほどで陣馬山頂に到着しました。山頂には大きな白い馬の記念像が建てられていました。この白馬像があるおかげで、陣馬山頂に来たという実感が湧きますし、第一、ここが陣馬山頂だということが、一目瞭然で分かります。

 ◆陣馬山の名前の由来について、頂上に設置されている説明書きに、こう記してありました。「戦国時代に(戦国武将の)北条氏と武田氏が対陣したことから、陣張山(じんばりさん)と言われたものが、後に陣馬山(陣場)と呼ばれるようになった」と伝えられています。説明書きの写真は、ここをクリックすると見られます。

北条氏の城の跡。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
陣馬山頂にて。

 ◆陣馬山頂には、数軒の茶屋がありました。登山客の方々がたくさん通る山頂なので、大いに賑わっていました。山頂からの眺めは、ほんとうにすばらしく、180度の豪快な視界を楽しめます。都心に暮らしていると、井戸のなかから空を見上げるような狭い視界しかないのに、ここからの眺めは、まるで自分が世界の中心に立っているようです。押すと写真が出ます。

 ◆もっと長く頂上にいたかったのですが、あまりにのんびりしていると日が暮れてしまうので、山を下りることにしました。和田峠から自転車に乗り、陣馬街道を下りました。週末の午後は、陣馬街道を下る登山客がたくさん歩いているため、自転車での走行は十分注意する必要があります。下り坂は、ついつい速度が出てしまうため、安全速度をどう保つかが腕の見せ所です。押すと写真が出ます。

 県道61号線の川原宿の交差点までは、ほぼ一貫して下り坂が続いたため、予定よりも早く麓(ふもと)に着きました。時間に少し余裕ができたので、八王子霊園の近くにある戦国武将の北条氏が建設した八王子城跡に足を運んでみました。北条一族は、今から約500年前の1500年頃から頭角を現し、のちに南関東の支配権を確立したことで有名です。

 先日、わたしが行った瀧山城(たきやまじょう=東京・八王子市高月町)も、北条氏が城主となっていた城です。戦国時代、敵対する戦国武将の武田氏に攻められ、より強固な城が必要となったために八王子城を建設したそうです。

八王子城跡の記念碑前にて。

 ◆八王子城は、巨大な山城で、天守閣は小高い山の上にあります。この日は、もう夕暮れが近づいていたため、天守閣のあった山の上には行かず、山の麓にある城主の屋敷・御主殿(ごしゅでん)跡に行きました。自転車は入れないため、城の入り口で自転車を停め、御主殿跡へは歩いて行きました。押すと写真が出ます。

 ◆この城は、戦国武将の北条氏が滅んで以来、使われなくなったため、この400年あまりのあいだで、建築物はほとんどなくなってしまいました。近年になって、発掘や復元作業が進み、まるで公園のように整備されました。土のなかに埋もれていた石垣は、当時あったように復元されていますし、御主殿に通じる橋や、御主殿の入口のある門なども、一部、復元されていました。押すと写真が出ます。

 日が暮れてきたため、わたしは高尾駅に向かいました。八王子城は、今度、時間をつくって、ゆっくり見学に来ようと思っています。

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陣馬山頂にて。
絶景の山頂でちょっと休憩。数軒の茶屋がありました。
おしりが滑って、ずり落ちそうになる。
陣馬山をあとにして、山を下りる。
八王子城跡の入口にて。
たくさんの木々に覆われた八王子城
帰りの電車のなかで。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
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御主殿に通じる道。石垣に挟まれている。
御主殿の入口。
御主殿の跡。ここに戦国武将の立派なお屋敷(御主殿)が建っていた。
御主殿跡から八王子市内の方面を見る。
御主殿から見下ろす「曳き橋」(ひきばし)。敵兵が攻めてきたとき、この橋を壊して、攻め入られないようにするそうです。

 ◆陣馬山や八王子城などについての感想を録音しました。帰りの京王線の電車のなかで収録しましたので、電車の走行音も聞こえてきます。「陣馬山は、登るのにかなり苦労しましたが、最後、帰りに寄った八王子城跡は、なかなかきれいに整備されており、興味深いスポットでした」。ここをクリックすると再生します。(録音時間22秒、容量176KB、MP3形式)押すと音声が聞けます。

 ◆同じく電車のなかで録音しました。「かなりのライダーに会ったので、陣馬街道は自転車ライダーの人気の場所なんだと気づきました。登山客の人たちもかなり多いです。家族連れ、自治区の寄り合いの集まりなど団体さんが多かった」。ここをクリックすると再生します。(録音時間38秒、容量302KB、MP3形式)押すと音声が聞けます。

 ◆きょうのツーリングを総括しました。「きょうの全体の走行距離は40キロメートルも行きませんでした。しかし、和田峠から陣馬山まで歩いて登りました。頂上から見る景色は壮大で、達成感に満ちました。皆さまのおかげです。ありがとうございます」。ここをクリックすると再生します。(録音時間43秒、容量337KB、MP3形式)押すと音声が聞けます。

 陣馬街道は、京王線や中央線で気軽に来れる場所です。次の機会に、ふたたび美しい陣馬周辺の林道を走ってみたいと思いました。



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