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妙高・池の平、赤倉リゾートから野尻湖へ
2008年、春の思い出特集
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温泉スキー場を巡る (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 長野県北部・黒姫高原ツーリングレポートの第3回目は、隣県の新潟県・妙高高原のリゾート巡りです。昔ながらの温泉と近代的なスキー場を組み合わせた「池の平温泉」「赤倉温泉」を自転車で走りました。赤倉ではケーブルカーに乗って春スキーを見学。その後、山間(やまあい)を挟んで反対側にある野尻湖まで行きました。

写真右上が妙高山。正面の沢が、新潟と長野の県境を流れる関川(せきがわ)。長野・信濃町方面から新潟南部の妙高山を望みました。

 北信五岳(ほくしんごがく)の周辺をメインに走り込んだツーリングレポートを、これまで2回にわたって紹介してきました。お宿のある黒姫山と南隣の飯縄(いいづな)山、霊峰・戸隠(とがくし)山の3座はすそ野を走り、いちばん小柄な斑尾(まだらお=1381m)山は頂上まで登りました。(北信五岳については、第1回目のレポートをご参照ください。ここをクリックするとリンクします

 今回のターゲットである妙高山は、その雄大な容姿から「越後富士」と称されています。山頂(標高2454m)を形づくる中央火口部と、そのまわりを取り囲む外輪山からなる美しい二重式の火山。まだ雪が残る山頂へは近づけませんでしたが、それでもケーブルカーの力を借りて標高1200m余りまで迫りました。

 北信五岳のうち、妙高山はリゾート開発が最も進んでいます。黒姫山もそこそこですが、妙高は有名な温泉郷が複数あるのが特徴。なかでも池の平や赤倉は規模が大きく、旅館や商店からなる温泉街が形成されています。荘厳な神社仏閣がたくさんある戸隠山とはまたちょっと雰囲気が違い、華やかなリゾート地という印象です。

写真左手前が妙高山。その向こうに新潟の山々が連なって見えます。右手前は杉野沢の集落。黒姫高原のすぐ北側に位置しています。

 妙高山の山腹に広がる妙高高原は、お宿のある黒姫高原の北側に位置しています。流れの速い関川を超えると、そこはもう新潟県。杉ノ原スキー場のある杉野沢の集落を通り過ぎ、しばらく進むと池の平温泉に着きます。そのさらに向こうが赤倉温泉。黒姫高原から一連の温泉・スキー場は、南北に走る地方道で結ばれていますが、スキーシーズンではない今は、自転車でのんびり走れます。

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今回の活動エリアを示した図です。妙高山は新潟県南部、長野との県境に位置しています。
走行ルートを示した図です。黒姫高原から妙高高原を走り、さらに山間を挟んで反対側にある野尻湖へ行きました。妙高高原には温泉郷やスキー場があります。
黒姫高原のお宿「黒姫温泉旅館あすなろ」さんで朝食をいただく。焼き魚がとってもおいしい!
旅館のすぐ前の生け簀(す)では、川魚が養殖されています。
朝食をとっていると、生け簀の魚を狙って狐がやってきました。1階のダイニングルームから撮影に成功!
上を見上げると、やはり魚を狙ってサギが2羽。左右の木のてっぺんに1羽ずつとまっています。
イモリ池の水芭蕉 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
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走行ルートを立体的な地図で示したものです。破線はケーブルカーに乗った区間。標高およそ1200mまで登りました。
全行程約46Kmの標高差を示した図。黒姫・妙高高原と野尻湖の間(上図20Km前後の区間)には、比較的低い山間が横たわっていることが分かります。ここに国道18号線やJR信越本線が通る。
黒姫高原から妙高高原へ向かう途中。右正面が妙高山。そのすぐ手前の沢が関川です。
池の平温泉近くの「いもり池」から望む妙高山。池の周辺は湿地になっていて、水芭蕉の白いきれいな花がたくさん咲く。イモリや希少なモリアオガエルも生息しています。
いもり池に逆さに映る妙高山。早朝、風のないときは、まるで鏡のように映り込むそうです。

 ◆まず、最初に立ち寄ったのが「いもり池」です。池の平温泉の近くある小さな池で、静かな湖面に精悍な妙高山を映し出します。昔は沼地だったそうですが、1927年に浚渫(しゅんせつ)して池になったそうです。名前の由来にもなっているイモリや、希少なモリアオガエルが生息し、春には池に近接した湿地帯に水芭蕉(ミズバショウ)やミツガシワなど湿性植物が群生しています。

お忙しい方も、この動画だけ見ればだいたいの雰囲気がつかめるよう編集しました。ウィンドウズ付属のメディアプレーヤーで再生できます。(再生時間1分52秒、ファイル容量14.3MB、ビットレート1056Kbps、WMV形式)

 わたしが訪れたときは、ちょうど水芭蕉の花が咲いていました。少し葉か育ちすぎている感じで、花が埋もれがち。5月上旬までが見頃ということですので、季節的に終わりに近い頃なのでしょう。たくましく伸びた水芭蕉は、まるで白菜かキャベツみたいに青々としていました。池の周囲をぐるりと囲むように遊歩道もありますので、水生・湿性の植物を間近で観察できます。一周すると584メートル。急げば15分くらいで歩けます。

 ◆妙高山が映り込む“いもり池”で録音しました。「好天が続いたためか、水芭蕉もすっかり大きく育っています。緑の大きな葉がにょきにょきと生えて、白い花がすっぽりかくれてしまうくらいです。遠くに見える妙高山が美しい」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間1分01秒、ファイル容量842KB、MP3形式)

 しばらくペダルを回すと、赤倉温泉です。山腹を横切る道のりで、小刻みな起伏が続きます。雨水が斜面を削り、何本もの沢をつくる。このV字型の切れ込みを横切るたびに道が湾曲したり、起伏が加えられます。ただ、沢沿いに谷間を登り続ける道とは違って、景色は抜群。高原の丘陵がどこまでも広がります。なるほどリゾート開発が進むわけですね。

 赤倉温泉の近くには、スキー場が山の斜面一面に広がっていました。冬にくればスキー客でいっぱいなのでしょうけれど、今は春スキーもほぼ終わりかけ。温泉街全体が一息ついて、夏の観光シーズンに向けて鋭気を養っているという雰囲気です。ほとんどのリフトは稼働していませんが、春スキー用のロープウェイだけが営業していたので乗ってみることにしました。

春スキーを見学 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 標高約700mの赤倉温泉からロープウェイの終点までの標高差は500mほど。標高が高くなると気温がぐんぐん下がって、寒くなる。麓(ふもと)ではすっかり溶けた雪も、山の上の方には、まだたくさん残っています。春スキーを楽しむ人の姿が見られ、素早く方向を変えながら、旗つきの棒の間をジグザグになって滑る競技スキー「大回転」の練習に励む団体さんもいました。

妙高山からしみ出る冷たい清水で、水芭蕉もよく育つ。奥の方は白い絨毯のように見えます。

 わたしはスキーのことをまったく知らないので、競技名が間違っているかも知れませんが、みなさん真剣に練習していたのが印象的です。

 春スキー見学を楽しんだあとは、野尻湖を目指しました。野尻湖までは、いったん麓まで下りて、山間の向こう側にある山手方向へ登らなければなりません。赤倉温泉からJR信越本線や上信越自動車道(高速道路)が通る麓までの標高差はざっと200m強。クルマの通行も少なかったので、豪快に下りました。登るのはたいへんですが、自転車での下り坂はほんとうに楽です(笑)

 坂を下りきると信越を結ぶ国道18号線に出ました。麓といっても広々としているわけではなく、どちらかといえば“山間の大きな河原”といった感じ。山から流れ出た沢がここに集まり、日本海側へと続く川底をつくる。その土砂が天井川のように浮き上がって少しばかりの平野を形づくったように見えます。

ケーブルカーを降りて、再び自転車に乗ります。麓に雪はほとんどありません。国道18号線(北国街道)まで一旦くだってから、今度は野尻湖の方角へ自転車を進めます。

 他に主立った道路がないためか、国道18号の交通量は半端でないほど多く、大型車が地響きを立てながら疾走。とても自転車では走れそうにないので、国道と並行して走る旧道の「北国街道」沿いに進むことにしました。旧街道は道幅も狭く、古くからの集落が軒を連ねる静かな道です。JR妙高高原駅まで来たところで山手の方へ進路を変更。ぐいぐいと坂道を登り、1つ峠を越えると野尻湖に到着です。

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赤倉温泉近くで春スキー用のケーブルカーが運行していましたので、乗ってみました。
写真左手に見える赤い屋根の立派な建物は「赤倉観光ホテル」。
ケーブルカーの終点。標高1200m余り。さすがに寒いです。
一面の雪景色。
勢いよく滑走するスキー選手の方。髪が長いから女性かな?
山頂方面は雪でいっぱい。わたしの技量で登頂するのは不可能。
野尻湖のナウマンゾウ (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
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野尻湖付近から妙高山を望む。
野尻湖が見えてきました。
湖に向けてコーナーを下る。水深が深く、透明度も高いため、湖面は黒っぽく見えます。
正面に黒姫山が見えます。
遊覧船が運航しています。かわいい足こぎのスワンボートもたくさんある。でも、自転車をこいだあと、スワンもこぐのは、さすがに勘弁(苦笑)
透明度が高くてびっくりしました。

 JR妙高高原駅をすぎたあたりから再び長野県に戻ります。野尻湖は、なんと言っても古代生物の「ナウマンゾウ」や「オオツノジカ」が発見されたことで有名な湖。

国道18号線の近くの旧道にて。写真奥は妙高山。無事に妙高高原を横断できて喜んでいる様子。

 ◆地元信濃町の案内板によれば、意外にも「長野県最大の貯水量を誇る天然の湖」なんだそうです。諏訪湖ではないんですね。面積は諏訪湖の半分から3分の1くらいしかないのですが、最大深度が38.5m、平均でも21mもある深さ。底の浅い諏訪湖よりも貯水量が多いというわけです。

 今から7万年前、黒姫山の噴火によって堰(せ)き止められた火山性の湖で、生い立ちは富士五湖に似ています。水深が深く、透明度も高いため、山手の方から見下ろすと漆黒の闇のよう。光をよく吸収するため、見ているこちらまでいっしょに吸い込まれそうです。

 ちなみに、ナウマンゾウの化石は4万年前の氷河時代のもので、ゾウとともにこの付近に住んでいた人類の石器や骨器も見つかっていると案内板に記されていました。時間の関係で湖畔にあるナウマンゾウ博物館には行けなかったのですが、次回はぜひ足を運んでみたいものです。

 野尻湖の正面には黒姫山がそびえ立っています。わたしは黒姫の市街地を横切ってお宿のある高原エリアまで戻りました。

お宿での晩ごはんです。白身魚のフライに霜降り牛!! 豪勢なお料理に驚き。おいしくいただきました。

 きょう1日の走行距離はおよそ46Km。それほど長い距離とは言えませんが、小刻みな起伏が続くルートでしたので、いい運動になりました。山腹が雨で削られてできた沢を何本も横断。さらにその沢が集まってできた山間を横切って、何万年も前の噴火によってでできた深い湖が印象的です。自然の力の大きさ、時間の重みを感じたツーリングでした。



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