《能登半島特集〜番外編〜》
能登鉄道で珠洲・蛸島の先端へ。
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能登鉄道に乗る!(◆の段落か写真をクリックすると拡大写真が見られます)
地図をクリックすると拡大します。

 番外編では、能登半島の先端部分をご紹介します。

 能登半島はとても大きいため、わたしの宿泊している穴水から、その先端部分まで自転車で往復することはできません。そこで、わたしは、穴水から“鉄道”で蛸島(たこじま)まで行き、そこから自転車で走ることにしました。ちょっとインチキだけど、鉄道を利用することで、能登半島先端まで日帰りで往復しました。左の地図で、鉄道と自転車での移動ルートを記しました。(クリックすると拡大します)

 今回、わたしが活動の拠点としている穴水(あなみず)から、能登鉄道の終着駅のある蛸島までの営業距離数は片道約61キロあります。ここから、能登半島最先端の岬である禄剛埼(ろっこうさき)までは10キロ強あります。合計すると往復140キロ以上にもなり、平均時速が10キロしか出せない、わたしの体力では、往復は無理ということが分かります。

穴水発、珠洲駅行きの能登鉄道。

 もし、140キロあまりの行程を、全部、自転車で走ったとすれば、平均時速が10キロなので、まったく休憩なしでも14時間かかり、休憩を2時間とると16時間もかかります。午後4時過ぎで、もう暗くなる冬の陽の短さでは、とても明るいうちに帰り着けそうにありません。

 能登鉄道は、穴水駅から蛸島駅まで直行で行く便は、1日に6本だけです。わたしは、当初、穴水を朝6時16分に出発する始発電車に乗ろうと思っていましたが、朝、寝坊して、乗り遅れてしまいました。この便を逃すと、蛸島への直行便は11時27分まで待たなければなりません。

 仕方なく、わたしは、蛸島駅より2つ手前の珠洲駅止まりの電車に乗ることにしました。珠洲駅止まりならば、6時35分の電車があります。

 能登鉄道は、2001年まで、穴水駅から日本海側の輪島(わじま)駅までの路線と、今回、わたしが乗車した穴水駅から蛸島駅までの2つの路線がありました。しかし、01年に、輪島に行く路線が廃線となり、いまは、蛸島に行く路線だけで運行しています。

ずっと単線が続くため、対向列車の待ち合わせに時間がかかりました。

 朝6時35分、穴水発珠洲行きの電車は、約57キロの営業距離をおよそ2時間かけて走りました。各駅に停車しながらも、平均速度28.5キロで快走しました。朝8時36分、わたしと自転車を乗せた電車は、珠洲駅に到着しました。珠洲駅は、能登半島先端部で、最大の市街地です。珠洲市全体の人口は約2万1000人だそうです。

 ◆能登鉄道は、単線であるため、途中、対向電車の“待ち合わせ”をします。この写真は、待ち合わせのとき、電車の外に出て撮った写真です。押すと写真が出ます。

 この日は、あいにくの空模様でした。どんよりと曇った空から、ときどき雨が降ってきました。せっかく、朝早い電車に乗って、9時過ぎには、珠洲駅前で自転車を組み立て終わっていたというのに、雨のせいで、待ちぼうけを食らってしまいました。いつ、やむのかわからない状態で、駅から離れるのはリスクが大きいと思いました。このため、雲行きが確認できるまで、珠洲駅で待機することにしました。

珠洲駅前で自転車を組み立てたのだけど、雨が降り始める。駅で少し雨宿りをしよう。

 ◆珠洲駅前で、雨雲を見上げながら1時間ほど過ごすと、雨がやんできました。天気予報では、基本的に“曇り”だったため、雨が降ったとしても、本降りにはならないだろうという予想が当たりました。雨雲が薄くなり、空が明るくなってきたので、わたしは、能登半島の“先端”に向けて、自転車を走らせることにしました。この写真は、珠洲駅を出発するところです。押すと写真が出ます。

 ◆珠洲駅から海側の県道沿いに、しばらく走ると、能登鉄道の終点の蛸島駅(たこじまえき)が見えてきました。蛸島駅は、小さな無人駅で、駅の裏手には田畑が広がっていました。駅のホームには、誰でも入れる構造になっていたため、わたしは、ホームまで上がってみることにしました。この写真は、ホームのうえから珠洲・穴水方面を撮ったものです。押すと写真が出ます。

 ◆この写真は、蛸島駅のホームの上から、駅舎を背景に撮った写真です。能登半島の冬は、ほんとうに寒い。電車を待つ人は、駅舎のなかで雨風をしのがないと、凍(こご)えてしまいます。小さな駅舎ですが、バス停のように、吹きさらしのところで待つのと比べれば、大きな違いがあることでしょう。押すと写真が出ます。


蛸島駅を経て、ランプの宿へ。(◆の段落か写真をクリックすると拡大写真が見られます)
能登鉄道・蛸島駅の前にて。

 ◆蛸島駅をあとにして、いよいよ、能登半島の先端に、ぐっと近づくときが来ました。この写真は、蛸島駅の前から、自転車で走り出すときのときに撮りました。押すと写真が出ます。

 ◆能登半島先端部の本州側(富山湾側)には、激しい起伏はありませんでした。緩やかな坂道や、まっすぐ平坦な道が続いていました。この写真は、能登半島最先端の岬・禄剛埼(ろっこうさき)に行く途中の、まっすぐな道で撮りました。押すと写真が出ます。

 ◆人影もまばらな能登半島の先端です。このあたりに原子力発電所をつくる計画が、ここ30年くらいくすぶっていたのですが、03年末に、電力会社側から建設を取りやめる意向を地元に伝えたそうです。原発を誘致すると、地元は、経済的にとても潤うそうですが、計画の挫折で、地元財界のなかには、失望した人も多いそうです。しかし、原発による放射能や発熱による環境破壊を嫌う人々にとっては朗報だったとのことです。建設中断の背景は、少子高齢化などで、電力需要の拡大が見込めないからだそうです。押すと写真が出ます。

ランプの宿を発見!

 能登半島最先端の海沿いの県道を走っていると、“秘境の宿”で有名な「ランプの宿」を見つけました。秘境と呼ばれるだけあり、県道から見えない、入りくんだ場所にありました。クルマで通っただけなら、「あそこが有名なランプの宿の入り口」だということは、なかなか分からないと思います。

 ランプの宿は、県道から海側に伸びた“農道”のような小径(こみち)を入ったところにありました。小径はクルマが一台通るのがやっとの細さです。県道は海抜およそ30メートルくらいの小高い丘の上を走っているのですが、ランプの宿は、海抜ゼロメートルの海岸沿いにありました。ランプの宿に行くには、県道から急勾配の小径を、海岸まで降りなければなりません。

 ◆クルマでは、急勾配すぎて、とても降りられないため、途中の駐車場に止めてから、徒歩で宿まで降りなければなりません。この写真は、ランプの宿の駐車場から、崖の下の海岸にあるランプの宿を見下ろしたものです。黒い屋根の建物がたくさん並んでいます。海側には、プールらしき施設も見えます。押すと写真が出ます。

いろいろ厳しいランプの宿。

 ランプの宿は、とても人気の高いお宿で、年間約35万人の宿泊予約の申し込みがあるそうです。ところが、部屋数が14室(50人収容)しかないとのことで、年間1万3000人しか泊まれないそうです。ちなみに宿泊料金は1万5000円〜4万円と、高級ホテル並み。

 これだけ人気が高いと、予約の段階で部屋を取れなかった人が、ランプの宿を、ひと目だけでも見ようと、たくさん押しかけるのでしょうか? お宿の入り口には、「 〜防犯カメラ監視中〜 休憩・食事・見学・入浴・トイレは、お断りしています」と、厳しい“但し書き”が掲げてありました。(右の写真)

能登半島の先端から日本海を一望。

 ◆ランプの宿を過ぎたあたりから、勾配が徐々にきつくなってきました。いちばん大きな峠道を登り切ったところが、能登半島の最先端に位置する禄剛埼(ろっこうさき)です。この小高い岬から、日本海を望むことができます。押すと写真が出ます。

 ◆この日は、あいにく、どんより曇った日本海でしたが、晴れた日ならば、青々とした美しい日本海を見ることができます。日本海側は、秋・冬の季節は、曇った日が多いようですが、夏は、太平洋側とほぼ同じくらいに晴れることが多いそうです。わたしが能登に来たのときは、限りなく冬に近い季節でしたので、鉛色の空に覆われた“冬の日本海”の雰囲気を感じることができました。押すと写真が出ます。

 ◆このあと、わたしは、再び能登鉄道に乗って、お宿のある穴水まで戻るために、珠洲の市街地へと向かいました。日本海をあとにして、能登半島を横断すると珠洲の市街地に着きます。この写真は、日本海を背にして撮りました。押すと写真が出ます。

珠洲駅の前の喫茶店で電車を待つ。

 わたしは、珠洲駅を16時52分に出発する電車で穴水に帰ることにしました。日本海側から珠洲駅までは、ひとつ山を越えなければならず、2時間近くかかってしまいました。駅前に着いて、自転車を輪行袋に収納したときの時間は16時ちょうどでした。でも、まだ、電車の出る時間までには、しばらく余裕がありましたので、駅前にあった喫茶店で暖かい紅茶をいただきました。

 このあと、電車に乗り、定刻通り18時25分に穴水駅へ到着しました。電車のなかは暖かく、穴水に着くまでの約1時間半のあいだ、すやすやと眠ることができました。

 能登半島は、とても大きい半島です。すべてを自転車で回ろうとすれば、とても一日では回りきれません。拠点となるお宿を何か所か転々とするか、野営(キャンプ)をしなければならないと思います。でも、一方で、そんな大がかりなことをしなくても、能登半島は、東京からも、大阪からも近いところなので、何回かに分けて、足を運ぶというのも、ひとつの方法だと思います。

 今回、わたしは穴水を拠点にして、能登半島のあちこちに出かけました。次は、能登半島の別のところに拠点を構えて、自転車を走らせれば、また、きっと別の能登半島が見えてくると思います。能登半島へ、ふたたび行ける日が、今から待ち遠しいです。【能登半島特集:おわり】



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