| 大山を目指す (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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表丹沢シリーズの大山・浅間山編です。小田急・伊勢原駅から大山方面へ向かい、大山寺(大山不動尊)を経由して秦野方面へ抜けました。自転車ライダーに人気のあるヤビツ峠や、のんびり静かに走れる表丹沢林道と並んで、おすすめの林道です。
大山は神奈川県を代表する霊峰です。別名は雨降山(あめふりさん)で、雨乞いの対象として古くから厚い信仰を集めてきました。“あめふりさん”が転じて“あふりさん(阿夫利山)”とも呼ばれ、山頂には阿夫利神社が祭られています。周辺の山々には湧き水の名所も多数あります。大山寺は山腹にあり、林道づたいに自転車でも行けます。 わたしは大山・最寄り駅の伊勢原で降り、地方道611号線を登り始めました。大山に通じる道はほぼ一直線で分かりやすいのですが、途中、大山寺につながる林道の入り口は迷いがちです。駅から5キロメートルほど登った地点で611号線の旧道と新道の分かれ道があり、さらに1キロメートル弱進むと旧新が再び合流します。ここが大山寺への分岐点です。(地図参照) 旧道と新道の合流地点には、おみやげ店の清水屋さんがあります。夏はかき氷やアイスクリームを求めるお客さんで賑わうお店です。目の前には美しい大山がそびえ立ち、そのまま道なりにに登っていくと大山ケーブルカーの駅です。ただ、今回は脇道の林道へ進みます。林道の入り口は清水屋さんの駐車場の奥にあり、よほど注意していないと見落としてしまいます。駐車場には立派な公衆トイレがあって助かります。 清水屋さんの駐車場を横切って林道へ入り、そのまままっすぐ登っていくと大山寺に通じます。途中で分岐している道を進むと蓑毛(みのげ)・秦野方面です。さらに進むと浅間山の尾根へも分岐しており、今回のレポートではこれら一群の林道を、便宜上“阿夫利林道”とします。蓑毛は表丹沢の周辺の山々へ続く登山道の要衝で、秦野駅からバスが頻繁に往来しているところです。 | クリックすると拡大します。 |
| 阿夫利林道を登る (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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わたしはまず大山寺まで登ることにしました。大山寺は今から1200年余り昔の755年、奈良東大寺の良弁(ろうべん)という僧侶が建てたと伝わるお寺です。中世では鎌倉、室町幕府、近世では江戸幕府の手厚い保護を受け、幾多の災害を乗り越えて現在に至っています。(地図参照) 大山寺の標高は約550メートルで、伊勢原駅との標高差は約500メートル。わたしにとってはけっこうな高さです。さらに大山寺から蓑毛方面への分岐点まで、折り返しで下りなきゃならないのもしんどかった。でも、林道に入ると急にクルマの交通量が少なくなったので助けられました。清水屋さんまではけっこう多かったです。この道の終点が駐車場のほとんどない大山寺なので、クルマの通りが減るのだと思います。 静かな林道は丹沢大山国定公園の表玄関に位置するだけあって、広葉樹を中心とした森林が大切に保護されています。このときはまだ暑い季節で、野鳥の鳴き声があちこちに響いていました。緑豊かな林道を自転車で走る楽しさを実感できただけでも、心が和み、大山寺に来た甲斐がありました。
今回、大山寺までのツーリングの様子をスライドショー形式の動画にまとめてみました。初めて動画編集ソフトを使ったものです。動画投稿サイトのニコニコ動画やユーチューブを見ていると、みんなほんとうに上手に動画を編集しています。上級者の方々のをまねしながら見よう見まねでつくりました。ファイル容量が2メガバイト余りと大きいため視聴はブロードバンド回線の方のみです。すみません。 |
| 山岳信仰のメッカ (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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山腹に建てられているお寺の境内は思ったより狭いです。本堂は重厚感ある太い柱で支えられ、国の重要文化財を含む多くの貴重な仏像が安置されています。本尊の不動明王像は鉄製の珍しいもので、鎌倉時代につくられたとのことです。ほかの木造の不動像はさらに古い平安時代前期というのですから驚きです。
かつては、日本古来の預言者や山岳信仰、仏教の密教、道教などが結びついた「修験道(しゅげんどう)」の道場でもありました。不動明王は密教と深い関わりがあるとされ、ここで修行した修験者らが大山や大山寺の信仰を世に広めるのに重要な役割を果たしたということです。 大山の周辺の山々を歩くとあちこちに、修験道に絡む山伏のさまざまな伝説が今も伝えられています。山伏を象徴する天狗のお面は、大山周辺のおみやげ屋さんでよく見かける重要なアイテムのひとつだそうです。 |
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| 浅間山の鉄塔 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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大山寺を後にしたわたしは、来た道を蓑毛方面の分岐点まで下り、今度は浅間山方面へ自転車を進めました。浅間山は大山の尾根沿いにあり、標高は680メートル。林道が敷設されているのは、山頂近くに設置された鉄塔のところまでです。今回は時間も限られていたので鉄塔までで引き返しました。それでも標高600メートルほどありますので、けっこうな体力が要ります。(地図参照) 伊勢原から大山寺まで約500メートル登り、一旦、標高350メートルの分岐点まで引き返し、再び250メートルほど登る。累計すると750メートルほど登ったことになります。ヤビツ峠が標高761メートルですから、体力的には秦野駅からヤビツ往復するのとほぼ同じ感じでしょうか。(標高図参照)
鉄塔までは林道本線の分岐した支線を登ります。今回の走行ルートはほぼすべて舗装されていて走りやすいのですが、この部分だけ未舗装でした。鉄塔周辺は点検整備用の車両が駐車しやすいように一部舗装されいました。鉄塔はどこにでもある高圧電線や携帯電話の基地局といったものではなく、何か重要な無線通信を行うためのもののようです。鉄条網が二重に張られ、厳重に管理されています。 重装備の鉄塔があるおかげで道が整備され、山頂近くまで自転車で登ってこられるわけですから、わたしのようなライダーにとってはありがたい話です。周囲の木々が生い茂っているので麓の景色は見えないものの、尾根の先にそびえ立つ大山の勇姿はよく見えました。違う角度から見る大山もすてきです。 |
| キャンプ発祥の地 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます) |
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鉄塔を後にしたわたしは蓑毛方面に下りました。下る途中、大山へ続く登山道の案内板をいくつか目にしました。蓑毛から大山に至る登山道と一部重なっているようです。蓑毛まで下りてくる白い少年の石像が建てられていました。「東京少年キャンプ連合発祥の地」と記されています。どうやら青少年育成のためのキャンプ活動のムーブメントがここから始まったようです。
石像少年が軍隊のような敬礼のポーズをしていていることから、遠くから見ると「学徒出陣の追悼碑?! それにしては幼すぎる。どうみても小学生なんだけど…」と疑問に思いつつ、近寄ってみるとキャンプ! なるほど納得できました。ここなら大山にも近いですし、丹沢大山国定公園の自然を満喫できます。台座の後ろには昭和35年(1960年)と記されています。当時小学校1年生だった子も、今は50代のおばさん、おじさんですよ。時間の流れを感じます。 秦野からバスがよく往来することもあり、蓑毛は登山客にとっては交通の要衝です。自転車ライダーにとってもヤビツ峠に行くときに通りますし、前回レポートさせてもらった表丹沢林道や今回の阿夫利林道へ通じる重要なポイントです。お手洗いやジュースの自動販売機などが完備されており、休憩するにもちょうどいいです。 ここから秦野駅まではほぼ一貫した下り坂。自転車なら30分余りで着いてしまいます。わたしはジュースをいただいてから、のんびりゆっくり帰りました。暖かくなったら、また自転車で表丹沢地区を楽しみたいものです。 | クリックすると拡大します。 |