江ノ島へ通じる境川の自転車道
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井の頭公園から江ノ島へ行く。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
走行ルートの全体図。クリックすると拡大します。
拡大図〜その1〜。井の頭公園(吉祥寺)→町田駅。クリックすると拡大します。
拡大図〜その2〜。町田駅→境川→江ノ島。クリックすると拡大します。

 03年晩秋、境川(さかいがわ)自転車道を走り、江ノ島へ行きました。境川自転車道は、東京都町田市(まちだし)を起点とし、江ノ島・湘南海岸まで続く約40キロ弱の自転車道です。この日、わたしは、井の頭公園を出発して、多摩川、乞田川(こったがわ)などに整備されている自転車道を乗り継いで、町田市に入りました。町田市から境川自転車道に入り、江ノ島へと向かいました。

準備運動その1。
準備運動その2。
準備運動その3。
準備運動その4。
準備運動その5。

 右側に、井の頭公園から江ノ島までの走行ルート図を掲載しました。いちばん上の地図が、おおまかな概念図として作成したもので、詳細は下の2枚の地図に分けて掲載しました。クリックすると拡大します。

 わたしは、まず、JR中央線の吉祥寺駅の近くにある井の頭公園から流れ出る神田川沿いに走り始めました。神田川には、自転車道が整備されていて、この道は、杉並区を通って中野区まで続いています。わたしは、神田川沿いに京王井の頭線の久我山駅(杉並区)まで行き、そこから三鷹市を横断する東八道路に入りました。

 ◆東八道路沿いにある野川公園で、1回目の休憩をとりました。野川公園は、コンクリートで固められていない自然な渓流の雰囲気を保存してある野川(のがわ)を挟み込むかたちで整備されている公園です。調布飛行場のすぐとなりにあります。押すと写真が出ます。

 ◆朝7時に井の頭公園を出発して、野川公園までは、平均時速10キロで約1時間の道のりです。朝、早かったこともあり、自転車をこいでいても、頭がぼーっとして、目が覚めきらない気分でした。押すと写真が出ます。

 ◆わたしは、目を覚ますために、ラジオ体操をししまた。左の写真は、野川公園でラジオ体操をしている様子です。体操をしたあと、血行がよくなったためか、頭がすっきりして、活力が湧いてきました。元気が出てきたところで、野川公園の隣にある調布飛行場の横を南下して、多摩川に出ました。


多摩川から乞田川へ。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
多摩川→境川の詳細地図。多摩川から乞田川自転車道、小田急唐木田駅へ。クリックすると拡大します。
唐木田駅から小山田緑地公園への詳細地図。クリックすると拡大します。
小山田緑地公園への入り口の詳細地図。クリックすると拡大します。
小山田団地から桜美林大学、境川自転車道への詳細地図。クリックすると拡大します。

 東京都にある多摩川や野川から、神奈川県にある境川や鶴見川の各自転車道へ、いかに安全に移動するかは、いつも頭を悩ませるところです。このふたつの地区の自転車道を、うまく連結させて走ることができれば、より長距離のサイクリングが楽しめるからです。しかし、実際は、多摩川をこえて、境川や鶴見川の上流部分に当たる町田市に移動するのは、とても困難です。

小山田緑地公園を走る。
自然な雑木林をイメージした公園。
唐木田駅と桜美林大学の中間地点にある。
小さな沼も復元されている。
芝生がよく整備されている。

 東京区内と町田市とのあいだには、住宅地が密集しています。また、丘陵がところどころにあり、道を複雑に曲げています。道幅も狭いうえに交通量が多く、マイカーやダンプカーがひっきりなしに通行します。歩道はさらに狭く、人ひとり通るのがやっとの箇所もあれば、歩道すらもないところもあるくらいです。このため、残念ながら、自転車で安全に移動できそうにありません。

 そこで、わたしは、多摩ニュータウンと小山田(おやまだ)緑地公園に目をつけました。ここを通れば、なんとか安全に多摩川から境川まで移動できるかも知れません。多摩ニュータウンがある多摩市は、主に戦後の計画的な宅地造成でつくられた街です。集落と田畑だったところに、自然発生的に形成された住宅街とは、ちょっと雰囲気が違います。

 道路や歩道は、定規で線を引いたようによく整備されており、古い市街地にありがちな、狭い路地にクルマが入ってきて、歩行者を蹴散らすようなケースは少ないと考えたからです。

 わたしは、多摩川から多摩ニュータウンに通じる乞田川自転車道を経由して、多摩ニュータウンへと移動しました。わたしの考えたとおり、多摩ニュータウンは、道路の整備状態がよく、どうやら、安全に境川まで移動できそうです。

 多摩川自転車道から、乞田川自転車道へは、府中市から多摩市へかかる関戸橋を渡るのが便利です。府中市側の多摩川自転車道から関戸橋をこえれば、そのまま乞田川自転車道へと続きます。乞田川自転車道は、わずか数キロの短い自転車道ですが、多摩川から多摩ニュータウンに行くときには、便利で安全な道です。

 ◆乞田川自転車道の写真がこれです。今回、撮影したものではなく、2年前の古い写真ですが、乞田川の両側に整備されている自転車道の様子が分かっていただけると思います。(この段落をクリックすると乞田川自転車道路の写真が見られます)押すと写真が出ます。

乞田川から境川へ。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)

 乞田川(こったがわ)自転車道沿いに走れば、あとは、なにも迷うことなく、小田急多摩線の終着駅の唐木田(からきだ)まで走り着くことができます。乞田川は、唐木田付近で暗渠(あんきょ)に入り、見えなくなります。ここから、境川までは、小山田緑地公園を通ります。この公園は、多摩市と町田市の中間地点にある公園で、行政区域では町田市に属します。

小山田緑地公園にて。

 右上の地図「唐木田駅から小山田緑地公園への詳細地図」のとおり、小山田緑地公園は、大妻女子大学と東京国際カントリークラブ(ゴルフ場)のあいだに挟まれたような位置にあります。大妻女子大学の横から町田市に向けて進むと、そこが小山田緑地公園なのですが、とくに看板もなく、入り口が、とても分かりにくいのが難点です。右上の図で「小山田緑地公園への入り口の詳細地図」で、小山田緑地公園への入り口を示してみました。

 まず、北を背にして、大妻女子大学正門と小田急線の車両基地とのあいだの片側一車線の道路を進みます。この道は、数十メートル先で、左にカーブしています。このカーブを曲がらず、右側の“横道”に入ります。この横道に入ると、急な下り坂になります。下り坂を下りきったところで、道は左側へ急カーブします。坂道でスピードを出しすぎると、この急カーブを曲がりきれなくなるので注意が必要です。

とてもよく整備された小山田緑地公園。多摩センターから、がんばれば、歩いてこられる距離にあるものの、あまり知られていない公園。

 この坂を下りきったところにある左カーブを曲がると、今度は、右カーブになります。この右カーブを数十メートル進むと、左側に“激坂”が見えます。自転車では、絶対にあがれない“激坂”です。四輪駆動車でも、難しいと思われるほどの“激坂”です。いちおう、舗装してありますが、砂利が浮いています。この左側にある激坂をのぼり、道なりに進むと、小山田緑地公園のなかへ自然に入ることができます。

 ここまで来てしまえば、あとは、地図どおりに、まっすぐ進むだけです。小山田団地と呼ばれる団地があり、スーパー「サンワ」や、町田小山田桜台郵便局などが見えてきます。小山田団地のなかにある谷戸池公園を通り抜けると、小さなトンネルがあります。このトンネルの上が尾根緑道(通称:戦車道緑道)です。

 トンネルをくぐると、頭の上を走る戦車道緑道への登り道がありますので、ここをのぼって戦車道に入ります。戦車道緑道は、丘陵の尾根のような地形の上につくられています。旧日本軍が、戦車の走行試験に利用していたことから、戦車道緑道と呼ばれるようになったそうです。戦車道を桜美林大学方面に進み、桜美林大学へと進みます。

桜美林大学の前にあるハンバーガー店で昼食をいただく。このお店は、学生がたくさん利用する。

 桜美林大学は、正門も垣根もない大学で、誰でも、自由に通り抜けることができます。マイカーでずうずうしく通り抜けるのは気が引けますが、自転車で静かに通るぶんなら、問題ないと思います。でも、学生や生徒が飛び出てくることもありますので、自転車で通るときも、十分注意しなければなりません。桜美林大学を通り抜けて、まっすぐ南へ進むと、イヤでも境川にぶつかります。

 境川にぶつかれば、あとは、湘南海岸の江ノ島方面へ、境川沿いに進むだけです。境川自転車道は、この桜美林大学あたりが起点になっています。これより上流は、舗装していなかったり、自転車道そのものがなくなっていたりします。


境川を走る。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)

 桜美林大学の前にあったハンバーガー店で昼食をいただいたのち、わたしは、いよいよ境川自転車道へ入りました。境川は桜美林大学がある東京都側と、JR横浜線・淵野辺(ふちのべ)駅のある神奈川県側の、文字通り“県境”にあります。

川下に向かって走る。町田駅をすぎたあたりに、水道管らしき鉄管が4本、境川をまたいでいました。

 一旦、境川自転車道に入ってしまえば、純粋に自転車道を、ひた走るだけで、江ノ島の一歩手前に位置する藤沢駅(ふじさわえき)近くまで行くことができます。このあいだは、ほとんど道に迷う心配はありません。

 境川は、東京の武蔵野台地から流れ出る野川や、千葉県の花見川(流域に花見川区など)のように、自然な土手が保存してあるわけではありません。都市型河川の鶴見川(同川崎市など)や神田川のように、コンクリートで両岸が固められ、川底が深く掘り下げられて、まるで“溝”のようになっています。

 それでも、境川には、いいところがあります。まず第一に、自転車道の整備状態がとてもいいこと。もうひとつは、境川を流れる水の透明度が、とても高いことです。降雨量にもよりますが、水質が悪いことが有名な鶴見川に比べれば、その差は、一目瞭然と言えます。

町田駅付近の境川自転車道にて。

 わたしは、境川自転車道を町田駅方面へと、川下に向かって走りました。この区間は、境川と、ほぼ平行して走るJR横浜線の淵野辺駅から町田駅までに相当します。境川は、町田駅手前で横浜線の高架下をくぐり、町田駅付近で小田急線の鉄橋をくぐります。そのあと、小田急線・江ノ島線とほぼ平行して走ります。

 ◆自転車道が、町田駅に近づくと、駅前の大型家電店のヨドバシカメラの建物が見えてきます。小田急線の鉄橋をくぐったのちは、逆U字の形をした大きな水道管のような鉄管が、境川をまたいでいるのが見えます。この鉄管は、全部で4本もありました。このあたりは、近年、急速に市街化が進んでいるところなので、水道や都市ガスの供給にも、力が入っているのでしょう。押すと写真が出ます。

境川自転車道の上流側の起点付近にて。
町田駅の向かう途中の境川自転車道の様子。
境川の向こう側は神奈川県・相模原市。手前は東京都・町田市。
町田駅付近にて。境川の水の透明度は、とても高い。
町田駅付近にて。

藤沢へ。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
国道246号線を過ぎたあたりの境川。
のどかな田園風景が続く。
自転車道の脇にはコスモスの花が咲いていた。
コスモスの花の横を走り抜ける。
大きな遊水池もありました。

 町田を過ぎて、しばらく走ると、国道246号線と交差します。境川自転車道は、ここから「藤沢・大和自転車道」と名前を変えますが、引き続き境川沿いを走ります。このあと、境川は大和市、横浜市、藤沢市などの県境を通り抜けます。町田駅を中心とした住宅地を抜けて、このあたりまで来ると、ふたたび田畑が多く見られるようになります。

国道246号線を過ぎると、境川自転車道は「藤沢・大和自転車道」の名前に変わります。

 首都圏には、大小さまざまな規模の自転車道が整備されています。大規模な自転車道は、なんと言っても多摩川と荒川に整備された自転車道です。

 小規模なものでは代々木公園や昭和記念公園など公園のなかを周回する自転車道や、残堀川(武蔵村山市など)や神田川(杉並区など)中小河川の一部に自転車道がつくってあります。今回、わたしが走った境川は、大規模ではないものの、自然環境に恵まれた、理想的な自転車道だと思いました。

 上流から出発した場合、終着点が江ノ島の見える太平洋であるというロケーションもなかなかいいと思います。余力があれば、江ノ島から相模川河口に続く海岸沿いの自転車道を走ることもできます。

 また、輪行(自転車を袋に入れて電車やバスで運ぶこと)するのにも便利です。上流側の起点へは、京王線や小田急線の多摩センター駅、JR横浜線の淵野辺駅が近いですし、下流側の起点へは、小田急線の片瀬江ノ島駅やJR東海道線の藤沢駅などが便利です。

国道1号線の手前で、自転車道はすぐ隣を流れる引地川の自転車道に引き継がれて、海まで続く。

 ◆わたしが走ったときには、コスモスの花が自転車道の脇に咲いていました。押すと写真が出ます。

 首都圏平野部の冬は、晴れの日で、陽光さえ照っていれば、自転車で走るのが耐えられなくなるほど冷え込むことはありません。日照時間が短いのは仕方ありませんが、勢いよくペダルをこげば、自然と身体が火照ってきます。真夏の炎天下では、気温が上がりすぎて、逆に辛いかも知れません。

 ◆境川自転車道は、国道1号線の手前でなくなり、これから先は、すぐ隣を流れる引地川(ひきちがわ)の自転車道に引き継がれます。境川自転車道の終点には、地図が掲示してあり、引地川への行き方が記してありましたので、写真に収めました。押すと写真が出ます。

 引地川までは、一般道を走らなければなりませんが、国道ではなく、1本内側の細い道を走れば、マイカーやトラックが少なく、少しだけ安心して走れます。


江ノ島へ。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)

 引地川自転車道を海に向けて進むと、だんだんと潮のかおりがしてきます。釣り竿(さお)を持った人や、自転車やオートバイの横に取り付けた専用荷台にサーフボードを積んで走る人の姿も見られます。

至福の時間。

 ◆わたしは、無事、江ノ島の見える海に着きました。海沿いを走る国道134号線をまたぐ陸橋の上に立つと、江ノ島がよく見えてきました。押すと写真が出ます。

 ◆海が見られて、ちょっと安心したからなのか、急にお腹が減ってきました。わたしは、江ノ島の海が見えるレストランで、ちょっと早い夕食をいただくことにしました。自転車の楽しみのひとつに、走ったあとのご飯のおいしさが挙げられます。ついつい食べ過ぎてしまうのが玉に瑕なのですが、走った人だけが味わえる至福の時間です。押すと写真が出ます。

 わたしは、スパゲッティーやハンバーグ、パン、コーンスープなどを注文して、おいしくいただきました。食事に集中しすぎて、ふと気がついたときには、もう夕闇が迫っていました。わたしは、レストランを出て、太平洋に沈む夕陽を見に、海岸まで行きました。

 ◆朱色の夕日が海の向こうに沈んでいきます。海には、サーフィンを楽しむ人が、まだたくさん残っていました。あたりが暗くなってくると、急に寒さが増してきました。わたしは、リュックからジャンバーを取り出して着ました。サーフィンの人たちも、ひとり、またひとりと海からあがってきます。押すと写真が出ます。

海岸で太平洋に沈む夕陽を眺める。

 ◆夏場は、首都圏中の若者が集まるのではないかと思えるほど混雑するこのあたりですが、今は、ほんとうにサーフィンが好きな人たち、寒中水泳が好きな人たち、わたしのように、ただ海を見に来た人たちだけが、ひっそりと集まっているだけです。押すと写真が出ます。

 ◆本格的に暗くなってきたので、わたしは、小田急の片瀬江ノ島駅から帰宅することにしました。この駅は、まるでおとぎ話にでてくる龍宮城のような外観をしていたので、驚きました。押すと写真が出ます。

 休日、この時間帯、新宿に行く「特急ロマンスカー」が、約30分毎にでていたので、わたしは特急に乗ることにしました。新宿までは特急料金が600円ほどかかりますが、普通の電車に比べて、停車駅が極端に少なく、とても快適です。

 多摩センター近くの小山田の丘陵地帯から出発して、江ノ島の見える太平洋まで続く境川自転車道は、何度でも走ってみたい、すばらしい自転車道でした。

江ノ島を望む。
海岸沿いには高級マンションが並ぶ。
太平洋に沈む夕日。
海には、まだたくさんのサーファーがいる。
龍宮城のような片瀬江ノ島駅。


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