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宿毛南部に位置する美しい漁村巡り〜第3編〜
四国足摺宇和海国立公園・自転車の旅。【全5編】

2日目も元気に出発!(◆の段落をクリックすると写真が見られます)

 四国・宿毛(すくも)旅行の第2日目は、宿毛の南部に位置する「柏島」(かしわじま)を目指しました。まずは、宿毛と柏島を地図で示しました。以下の地図をクリックすると大きくして見られます。

地図をクリックすると拡大します

 ◆柏島(かしわじま)は、宿毛から片道約30キロほど離れた島です。島といっても半島から橋がかかっているため、実質的には、半島の延長線上にあります。柏島の沖には、沖の島(おきのしま)があります。行きは海岸沿いの県道を走り、帰りは国道321号を走って帰りました。(地図参照)

 柏島に行くには、小型乗用車ですら擦れ違えない、細くて険しい林道風の県道を抜けなければなりません。この県道には、たまに、路線バスが走るため、わたしの自転車でも擦れ違うのがたいへんなくらいです。車の運転に自信のない人は、ぜったいに立ち入れません。対向車と擦れ違うとき、下手にバックして、道を譲ると崖に脱輪させてしまいます。(笑)


お宿の前で準備運動

 ◆柏島に行った日も快晴で、暖かく、風も穏やかな、絶好のツーリング日和でした。朝5時に起きて、6時半にお宿で朝食をいただきました。水や空気がきれいであるためなのか、お宿でいただく食事は、すべてとてもおいしく感じました。写真は朝食をモリモリ食べているところです。押すと写真が出ます。

 泊まらせていただいたお宿は、宿毛湾と、その先の太平洋が一望できる小高い丘の上にあります。この日も、起きるとすぐに窓を開けて、眩しいほどに美しいオーシャンビューを満喫しました。お宿の前にて。押すと写真が出ます。

 宿毛湾には、漁船の他に米国の湾岸警備隊に相当するジャパンコーストガード(海上保安庁)の巡視船が一隻停泊しています。この巡視船は、わたしの滞在した5日間、すべてずっと湾内に停泊したままのような印象を受けましたが、ひょっとすると早朝や夜間に、沖に出て警備に当たっているのかも知れません。

ジャパンコーストガード

 漁村に足を踏み入れると、「海のもしもは118番」という看板がよく目につきます。それから、「密航・密輸・密漁・不審船などを見かけた方は118番へ」という主旨の看板もありました。こうした通報を受けたときに、宿毛湾の巡視船が出動するのだと思います。

名称:PS09あらせ
総トン数:197トン
主要寸法:全長46.0、巾7.5、高さ4.0メートル
航行区域:近海


柏島方面へ南下(◆の段落をクリックすると写真が見られます)
県道357号線沿いの漁村

 朝食をたくさんいただいて、オーシャンビューを楽しんでいたら、もう朝8時近くになってしまいました。急いで支度をして出発です。まずは、宿毛から海岸線沿いに柏島方面へ南下しました。柏島に行くには、(1)海岸線沿いの県道357号線で行くのと、(2)国道321号線から県道43号線に折れる道と、2つの方法があります。

 ◆海岸沿いを走る県道357号線は、いくつもの漁村を通り抜ける路線です。定期バスなどは走っておらず、まるで林道のような細い道が続きます。宿毛から出発して、まず「栄喜」、それから「瀧ヶ迫」、「泊浦」、「橘浦」、「安満地(あまじ)」などの漁村を通りました。どれもみな、温かみのある美しい漁村ばかりです。押すと写真が出ます。

 ◆県道357号線沿いの漁村を巡っていて、分かったことなのですが、海の水がとても澄んでいます。湾のなかでは、漁村の方々が、魚か海草の養殖をしていらっしゃるようでした。小高い丘の上から見ると、海が青く透き通って見えます。近づいてみると、ますます海水が透き通っているのが、よく分かります。押すと写真が出ます。

漁村を望む

 ただ、実際に走ってみて、ちょっと“計算違い”だったこともありました。今回、わたしが現地で使った地図は、10万分の1の尺度です。この地図で見る限りでは、海岸線沿いの県道357号線は、比較的起伏の少ない道のように見えました。でも、実際は、細かな起伏が数多くあり、予想以上に体力を消耗する道だったのです。

 10万分の1の地図は、比較的縮尺の度合いが高く、大まかな内容しか載っていません。土地の高さを表す等高線も、だいたい100メートル単位です。このため、100メートル以内の起伏だと、地図上では表現されていないことになります。たとえば、極端な話し、99メートルの丘を10個越えなければならない道でも、等高線が100メートル単位で書かれていると、表面的には「平らな道」と見えてしまいます。

 ◆山の形状や、海岸線の特性を考慮にいれれば、ある程度、起伏があるのではないかと想像できます。しかし、今回の海岸線沿いの県道357号線は、99メートル以内の起伏が“不断にあった”という印象を受けました。つまり、自転車で、よっこら、よっこら登ったと思ったら、すぐに坂を下り、また登るって感じです。おおよそにして坂を下りきったところには小さな漁村があり、漁村の数だけ、登りと下りのセットがあったように思いました。押すと写真が出ます。

泊浦に着いたわたし

 さらに、道が上下にうねっているだけでなく、左右にも大きく振れ、ちょうど腸の中を食べ物が通るように、ぐねぐねと蛇行していました。走行(移動)する距離は長いのにもかかわらず、直線距離で測ると一向に距離が伸びません。同じような場所を回っている感じで、予想以上に時間を消費しました。車もほとんど通らず、筋力トレーニングには、絶好の場所なんですが、体力と時間の制約のことを考えて、復路は、より平坦で直線的な国道を通って帰りました。

 ◆でも、漁村のある風景は、とても美しかった。もし“楽だから”という理由で国道を走っていたら、空気は汚いし、車は多くて危ないしで、とても景色を楽しむ余裕なんてなかったでしょう。わたしの走った海岸沿いの県道357号線は、この点で、心ゆくまで、透き通った静かな海や漁村巡りを、十分に楽しむことができるコースでした。押すと写真が出ます。


あともう一息で柏島(◆の段落をクリックすると写真が見られます)
柏島周辺の詳細図

 ◆蛇行と起伏が連続する海岸沿いの県道357号線を走り、安満地(あまじ)まで来ました。朝8時に宿毛を出て、ここまで約6時間かかりました。安満地は、海に面した集落で、わたしは、ここから一旦、山側の集落の頭集(かしらつどい)まで戻りました。ここから、県道43号線に乗り換えて、目的地の柏島(かしわじま)へ向かいました。(左側の地図をご参照ください)押すと写真が出ます。

 柏島に続く県道43号線は、頭集から数キロは片側一車線のよい道が続くのですが、すぐに山道に入ります。中小の突起を繰り返しながら、全体的には柏島に向かって、ひとつの大きな峠を越すイメージです。山道は木々が生い茂り、薄暗いほどです。この地帯は野生の猿が多く生息しているとのことです。

 ◆この山の中に「大堂お猿公園」なるものがポツンとあるのですが、人影もなく、野猿の姿も見えず、全体的に寂しい印象を受けました。わたしが泊まらせていただいたお宿の女将(おかみ)さんは、最初、ここ柏島で釣り客向けに民宿をひらいていたそうです。野猿について女将さんは、「猿には手を焼いた。いちど猿に畑を狙われると、つくった作物すべて盗られてしまう。人参や馬鈴薯など、まだ小さいうちから掘り返される」と話していました。この写真は、大堂お猿公園から、頭集方面の海を望んだものです。険しい崖が切り立っています。押すと写真が出ます。

柏島を背景に。

 ◆以前、神奈川県の丹沢湖近くの民宿で泊まらせていただいたときも、野猿のことを、同じように話していました。確かに、今、ここで、畑を荒らし回る狡猾な猿に、ばったり出くわしたとしたら、ちょっと怖い気がします。たぶん、わたしが食べ物を持っていることを、猿たちは知っているわけで、無防備な自転車に乗って、しかも、すごく速度が遅いため、まさにカモネギになってしまいます。(涙)押すと写真が出ます。

 ◆そうこう、猿のことを考えているうちに、柏島が見えてきました。柏島は半島の先に、ぽつんと突き出た小さな島です。半島と柏島のあいだには、橋がかかっていていますので、実際は、半島の先と一体化している感じです。しかし、半島と柏島の僅かな隙間に、小さな港があり、柏島の集落は、ここに集中しています。柏島の向こうには、沖の島が見えました。沖の島へは、宿毛から朝と夕の1日2回、定期連絡船が出ています。釣りが好きな人にとって、沖の島は理想的な島だということです。押すと写真が出ます。

 ◆波の荒い外海から見て、この小さな港は裏側に位置しています。このため、荒波をかぶることなく、安心して舟を泊められる仕組みになっているようです。正直言って、豊かな海洋資源に恵まれた漁村と、美しい海以外、とくにこれといった特徴はないものの、自転車で走るには、理想的なところだと思いました。写真は、柏島周辺の展望図です。押すと写真が出ます。


山あり、海あり、車なし(◆の段落をクリックすると写真が見られます)
柏島の集落にて。

 ◆「山あり、海あり、車なし」−−。観光地ではないので、車の数が少なく、自転車でとても走り応えがあります。宿毛からの距離も申し分ありません。柏島から宿毛方面を望む。押すと写真が出ます。

 柏島からの帰り道は、頭集まで県道43号線で戻り、そのまま国道との合流地点である大月まで行きました(先述の地図参照)。大月からは国道321号線で、宿毛まで走りました。

 柏島から大月までは、起伏が続くものの、大月から宿毛までは、おおむね、なだらかな長い下り坂です。わたしは、思い切りペダルを漕いで、国道321号線を時速約30キロで走りました。1時間ほどで宿毛湾に着きました。往路の起伏の激しい海側の県道357号を走ったのと比べ、同じ直線距離でも、復路の国道では約3分の1の時間しかかかりませんでした。

 ◆写真は、宿毛市内を流れる松田川の対岸から、宿毛湾の方面を撮ったものです。正面に見える島が大島と片島です。ここから松田川にかかる橋を渡り、お宿のある宿毛湾に帰りました。押すと写真が出ます。


夕日の宿毛湾。

 ◆宿毛湾に帰ったときは、すでに陽が沈もうとしていたときでした。宿毛湾で、夕日を背景に写真を撮りました。わたしの後ろに写る船は、九州の佐伯市(さえき)を往復する定期フェリー「ニューあしずり」(宿毛観光汽船、999トン)です。普通乗用車を65台、またはトラック(11トン)を13台、積むことができるそうです。押すと写真が出ます。

 ◆この日は、計約80キロ走りました。昨日の篠山(ささやま)コースの120キロと合わせれば、合計約200キロ走りました。普段は、しょぼいOLなので、基礎体力もなく、お宿で、お風呂と夕食をいただいてから、すぐに寝てしまいました。写真は、気持ちよさそうに寝ている様子です。押すと写真が出ます。

 第4編、「深浦漁港を経て、西海町の青い珊瑚礁の海を見る」へ続く。ここをクリックすると、第4編にリンクします。




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