《利根川デルタ・水郷特集〜その2〜》
の霞ヶ浦から利根川をのぼる。
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あたり一面に立ち込める霧!(◆の段落か写真をクリックすると拡大写真が見られます)
民宿しをみ食堂での朝食。手に持っているのは卵焼きです。他にも、ハムや納豆、おみそ汁などをいただきました。

 翌日、朝起きたら、窓の外が真っ白でした。天気予報は晴れ。昨日と同じように、いい天気かと思ったのですが、青空どころか、30メートル先も見えませんでした。霞ヶ浦の近くにある成田空港では、よく霧がかかり、飛行機の操縦士の視界を遮るという話しを聞いたことがあります。もし、こんな濃い霧が空港にかかったら、着陸する操縦士は、さぞ緊張するだろうなぁ、と思いました。

 ◆泊まらせていただいた民宿しをみ食堂の2階の窓から霞ヶ浦を望みましたが、霧が立ちこめて、霞ヶ浦は見えませんでした。晴れていたら、霞ヶ浦がよく見えるハズです。押すと写真が出ます。

 ◆わたしは、民宿しをみ食堂で朝食をいただきました。ごはんとおみそ汁が、とてもおいしい朝食でした。昨晩の豪華料理を、すっかり消化しきってしまったわたしは、朝食も、引き続き、もりもりといただきました。お腹一杯になったところで、いざ、自転車で出発です。押すと写真が出ます。

自転車で走ったコースです。地図をクリックすると拡大します。

 ◆本日のコースは、霞ヶ浦湖畔の民宿しをみ食堂から、佐原市の水郷地帯を通り、利根川を上流に向けて上るというものです。走行距離は約75キロで、最終目的地のJR取手駅までの大半が、安全な自転車道です。この写真は、民宿しをみ食堂の前で撮りました。霧がかかっていて、道路の先に何があるのかよく見えません。押すと写真が出ます。

 わたしは、民宿しをみ食堂をあとにして、霞ヶ浦湖畔を利根川方面に向けて走り始めました。霞ヶ浦の北側は、現在、自転車道の建設工事が進んでいますが、今は、まだ、一部しか開通していません。

 幸い、観光地で有名な潮来(いたこ)と、民宿しをみ食堂のあいだの5キロほどは、すでに自転車道が開通しており、すいすいと自転車を進めることができます。

霞ヶ浦湖畔の自転車道(サイクリングコース)です。濃霧でカメラのフラッシュが反射して、背景が光って見えます。

 ◆霞ヶ浦湖畔の自転車道で写真を撮りました。まだ、できたての自転車道のようで、舗装状態は良好です。将来的には、土浦まで自転車道を開通させる計画とのことです(今は、ごく一部しか開通していません)。このときの視界は、おそそ30メートルほどで、霧の向こうに障害物があるのではないかと心配しながら走りました。押すと写真が出ます。

 霞ヶ浦の近くには、成田空港の他に、航空自衛隊の百里基地(ひゃくりきち=滑走路2700メートル×1本)や、海上自衛隊の下総航空基地(しもうさきち=同2250メートル×1本)、大利根飛行場(同600メートル×1本)などの飛行場があります。

 目の前は白い壁という視界約30メートルの状況下では、時速20〜30キロの自転車でも、運転するのが怖いのに、時速300キロで離陸する高速ジェット機などは、きっと、もっと視界が悪いのだろうなと思いました。

霞ヶ浦に白鳥が何羽かいました。冬になるとシベリアなどから霞ヶ浦に渡ってくるそうですが、地元の人の話だと、夏場でも白鳥を見ることができるそうです。ほんとうなのか?

 時速30キロ(同3万メートル)で30メートル移動するには、3.6秒かかりますが、時速300キロ(同30万メートル)で30メートル移動するには、わずか0.36秒しかかかりません。1秒にも満たない時間で、白い霧の壁に突っ込むとなれば、視界はほとんどないも同じですね。

 昨日は、天気がよかったため、海上自衛隊の下総基地から飛び立ったと思われる哨戒機か輸送機のような“ずんぐり体型”の飛行機が、印旛沼の上を低空で何度も何度も周回しているのが見えました。

 下総基地は、教育目的の教育航空隊が中心の基地であるため、たぶん、低空で周回する訓練、または、滑走路に接地して、すぐに離陸する「タッチアンドゴー」の離着陸訓練をしていたのだと思います。きょうのような濃霧では、さすがに訓練できないでしょうね。

白鳥を観察していたら、空が明るくなり、霧が少し晴れてきました。弱々しいですが、陽光が差し込んでくると、少し暖かく感じました。

 ちなみに、百里基地は第一線で活躍する主に戦闘機の基地で、大利根飛行場(利根川河川敷にあります)は民間のセスナ機などが利用しているようです。他にも、霞ヶ浦の近くには、瀧ケ崎飛行場や、霞ヶ浦飛行場(陸上自衛隊)などがあります。飛行場が多いのは、利根川領域の平野の広さを表していると思います。

 ◆霞ヶ浦湖畔の自転車道を走っていると、湖に白鳥が浮かんでいました。見えた範囲で5〜6羽いました。この冬、シベリアから渡ってきたのでしょうか。白鳥たちは、のんびりと毛繕いをしていました。人間がカメラをもっても、チラチラとこちらを見てはいますが、驚く様子もなく、間近で写真を撮ることができました。地元の人の話しによれば、霞ヶ浦では、夏でも白鳥が見られ、すっかり人間に慣れているとのことですが、ほんとうかな。未確認情報です(笑)押すと写真が出ます。

 ◆白鳥を観察していると、霧が少し晴れてきました。霧が晴れるとき、「すぅっと」晴れるんですね。まるで幻想でも見ているように、視界が開けてきました。広々とした霞ヶ浦の湖面が、霧のなかから姿を現し、とてもすがすがしい気分になりました。押すと写真が出ます。


あたり一面にコスモスの花が咲く。(◆の段落か写真をクリックすると拡大写真が見られます)
コスモス畑がありました。誰でも自由に摘み取っていい、観光農園として運営されていました。

 ◆霞ヶ浦湖畔の田畑に、コスモスが植えられていました。わたしが自転車で通りかかったときは、ほぼ満開の時期で、おおぜいの観光客が訪れていました。このコスモス畑は、町興しの一環で、地元の農家の方々が観光客向けの観光農園として運営していらっしゃるとのことです。押すと写真が出ます。

 ◆このコスモス畑では、観光客が咲いているコスモスを摘んで、持ち帰ることができます。わたしは、最初、そのルールを知らず、訪れた客が、大切な観光資源であるコスモスの花を「略奪」しているのかと勘違いしてしまいました。けれど、観光農園の利用規則が書かれた看板をよく見てみると、花卉(かき)業などの業者でなければ、自由に摘んで持ち帰っていいとありました。なんと、心の広い観光農園だろうか。驚いてしまいました。押すと写真が出ます。

 ◆自転車とコスモスとわたしで、記念撮影をしました。押すと写真が出ます。
女の子なら誰でも一度はやってみたいこのポーズ。

 自転車でなければ、わたしもコスモスを摘んで帰りたかったのですが、残念でした。これから、半日自転車を漕ぐわたしは、たとえ100グラムでも荷物を軽くしなければならず、生花を運搬する余裕はありません(涙) コスモス畑には、子連れやアベックが多く訪れ、楽しそうにコスモスを摘んでいました。

 ◆右の写真。この年で、ちょっと恥ずかしかったけれど、やっちゃいました。女の子だったら、きっと、誰でも、お花畑で、このポーズをしたいものだと思います。わたし、コスモスの花って、もっと背が高いものだと思ったのですけれど、ここのコスモスは、とてもかわいい背丈です。でも、その背丈に似合わず、紫や小豆色、白色などの大輪の花を咲かせていました。さすがプロが育てるコスモスは違います。押すと写真が出ます。

映画『うなぎ』の舞台となった与田浦周辺の地図。

 コスモス畑をあとにしたわたしは、常陸(ひたち)利根川を渡り、佐原市の水郷地帯を走りました。この水郷地帯は、利根川と常陸利根川の中間に位置しており、映画『うなぎ』(今村昌平監督=97年カンヌ映画祭グランプリ受賞)の撮影地としても有名です。左の地図に、与田浦周辺の位置関係を示しました。

 この水郷の中心は、与田浦(よたうら)と呼ばれる沼です。与田浦を囲む道は、マイカーやトラックの交通量が少なく、たまに地元の方か、釣り客のマイカーが通るくらいです。わたしは、与田浦沿いにJR鹿島線にぶつかるところまで走り、そこから鹿島線沿いに南下して利根川の自転車道まで出ました。

 ◆ここの自転車道に出てきて、ちょっと不思議に思ったことがあります。JR鹿島線と利根川とが交差する地点で、自転車道が、JR鹿島線の鉄橋の、わずか50センチほどの下をくぐっているのです。そこの部分の写真を撮りました。押すと写真が出ます。

JR鹿島線を走る貨物列車と。コスモスの花粉に反応してか、くしゃみが止まらなくなる。

 ◆50センチでは、大人がまっすぐ立ったまま、鉄橋の下を通り抜けるできません。でも、自転車道は、まっすぐ鉄橋の50センチ下に向かっています。もちろん、脇には大人がまっすぐ立って歩けるだけの空間がある抜け道が用意してありますが、それだったら、鉄橋のところまできれいに舗装する必要はないと思うのですが…。それでも、律儀に舗装してあります。押すと写真が出ます。

 ◆不思議な自転車道で写真を撮っていたら、利根川の向こうから、鉄橋を渡って、貨物列車がやってきました。ごとごと、がたがた、たくさん貨車を連結した貨物列車がゆっくりと、潮来方面へ走ってきます。鹿島港の工場地帯に貨物を運ぶのでしょうか。これから、わたしは、この利根川自転車道を上流へと走ります。目的地のJR取手駅までの走行距離は、ここから、およそ50キロほどになると思います。今はお昼ちょっと前。まだ時間にも余裕があり、ゆっくりと利根川をのぼっていきたいと思います。押すと写真が出ます。


利根川牧場(通称)をゆく。(◆の段落か写真をクリックすると拡大写真が見られます)

【利根川牧場でのミニ写真集】−写真をクリックすると拡大します
牛とわたし。
河川敷の牧場。
牧場の全景。
夕方、隊列を組んで小屋に帰る。
牛とわたし、お互いに怖い。
堤防を越えて、一列で行進。
牛にぶつからないよう注意。

 ◆利根川の河川敷を走ると、利根川流域が、いかに広いかが、よく分かります。JR鹿島線の鉄橋から利根川上流に向けて、しばらく走ると、河川敷で牧場を営んでいらっしゃる農家がありました。おそらく、地元の複数の農家が、共同で利根川河川敷を牧場として利用されているのだと思います。牧場には、ふつう「○○牧場」とか看板が立っているのですが、ここ利根川一帯の牧場は、とくに看板もなく、どう呼べばいいのか、分かりませんでした。ここでは、便宜上の通称として「利根川牧場」と呼ばせていただくことにします。押すと写真が出ます。

 ◆利根川牧場一帯には、わたしが見ただけで100頭以上の牛が飼育されていました。牛は、まったくの放し飼いになっているのではなく、長さ数メートルのロープで、河川敷に打ち付けられた杭(くい)にしばってありました。牛は、この半径数メートルのなかの草を、のんびりと食べていました。わたしが自転車で通りかかると、牛たちは、とても「珍しいもの」を見るような目で、こちらを見ていました。わたしも、牛のことを珍しそうな目で見ているので、ある意味、お互い様という感じでした。(笑)押すと写真が出ます。

 ◆利根川河川敷の活用は、牧場だけではありません。この牧場から、もう少し上流に行ったところには、大利根飛行場もあり、小型機を中心に、頻繁に飛行機が離着陸をしています。飛行機で上空数千メートルまで上昇して、そこからパラシュートをつけて落下する「スカイダイビング」もおこなわれていました。また、成田空港も近いため、大型旅客機が低空で飛ぶ姿も、頻繁に見ることができます。とくに、風向きによって、利根川側から成田空港に着陸する場合は、ギア(車輪)を出し、フラップ(補助翼)をいっぱいに下げて、最終着陸態勢に入っている大型旅客機が見られます。押すと写真が出ます。

 ◆一方、これだけ広い土地で、自転車道も整備されているので、わたしは、てっきり、多摩川や荒川のように、たくさんの自転車が走っているのか想像していましたが、実は、自転車の交通量は、わたしが見た限りでは、多摩川や荒川に比べて、それほど多くありませんでした。確かに、荒川や多摩川は、都心から近いため、通いやすいという利点はありますが、利根川沿いも地場のライダー(自転車乗り)を中心に、もっと活用してもいいと思うのですが、擦れ違うライダーの数は、意外に少ないものでした。押すと写真が出ます。

 あるいは、利根川が広すぎて、多摩川や荒川と、同じ数だけのライダーが走っていても、分散してしまい、出会う頻度が少なくなっているだけなのかも知れません。ただ、利根川で気を付けなければならないのは、途中で、舗装路が途切れてしまう点です。茨城県側と千葉県側で、場所によって、舗装してあったり、していなかったりとバラツキがあります。

利根川の舗装状況を示した地図です。地図をクリックすると拡大します。

 わたしは、JR鹿島線の鉄橋から長豊橋までは茨城県側を走り、長豊橋から栄橋までは千葉県側を走りました。そのあと、栄橋から再び茨城県側に渡り、JR取手駅まで走りました。途中、神崎大橋から常総大橋までの茨城県側の自転車道は未舗装であったため、堤防から降りて、農家が並ぶ農道を走りました。都合のいいことに、未舗装の区間は、舗装された農道が平行して走っていたため、堤防沿いに走る危険な県道11号線(交通量が多く、歩道がない)を走らずに済みました。

 利根川走郎さんが制作しておられる「利根川サイクリングロード」( http://www1.plala.or.jp/tone_cr/ )によれば、JR鹿島線鉄橋からJR取手駅までの区間で、このルートが、いちばん舗装路の比率が多いとのことです。


無事に走り終える。(◆の段落か写真をクリックすると拡大写真が見られます)
コンビニで会った猫。

 ◆常総大橋を千葉県側に渡って、しばらく走ったところで、お腹が減ってきました。そこで、利根川と平行に走る国道356号線沿いのコンビニで菓子パンを買って食べました。すると、どこからともなく猫が出てきて、身体をわたしの足に擦りつけてきました。人間をあまり恐れていないところをみると、飼い猫でしょうか。それとも、コンビニに住み着いている猫でしょうか。押すと写真が出ます。

 試しに、猫に菓子パンを、ひとかけらやってみましたが、やはり食べませんでした。わたしは、やった菓子パンを回収して、コンビニのごみ箱に捨てました。猫は、コンビニのごみ箱のところまでついてきましたが、その後、他に、もっとおいしそうなアメリカンドックを手に持っているコンビニ客のところに、行ってしまいました。わたしは、JR取手駅をめざして、ふたたび利根川自転車道を走り始めました。

メインテナンスも忘れずに。

 ◆冬の日は短く、4時近くになると、日が落ちてきました。延々と続く利根川自転車道の先っぽに、太陽が沈んでいくのが見えました。わたしが、自転車をこぐのが遅いためか、途中、コンビニで猫と遊んでいたかのが原因なのか、この分だと、目的地に着く前に、日没になってしまいそうです。押すと写真が出ます。

 ◆栄橋で茨城県側に渡ったときは、もう、すっかり日が落ちてしまいました。急に寒くなってきました。わたしは、前につける前照灯と、後ろにつける赤い警告灯をリュックから出して自転車に装着しました。利根川の自転車道には街路灯などはなく、日が落ちると、ほんとうに真っ暗になります。自転車の小さくて暗い前照灯だけが、障害物を発見する手段です。押すと写真が出ます。

 利根川流域は、ほんとうに広いです。自転車で何十キロ走っても、まだまだ平野が、ずっと続きます。クルマで混み合った市街地では難しい、のびのびとした走りを体験したいときは、この広大な利根川流域が絶好の自転車フィールドになります。都内から電車ですぐに行ける近郊にありますし、ぜひ、また足を運んでみたいと思っています。

 太陽の光をたっぷり浴びたため、帰ってからのメインテナンスも忘れずにしました。うちの子が、わたしのメインテナンスを、珍しそうに見に来ました。(笑)【利根川デルタ・水郷特集:おわり】



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