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【2】実はあった! 自転車で筑波山に登る道。
2004年、夏の思い出特集−第2弾−
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筑波山を目指す。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 朝起きると、昨日の夕立が嘘のように青空が広がっていました。お宿のテレビをつけ、天気予報を見たら、茨城県各地で今日も局地的な雷雨があると話しています。夏の間は、毎日のように、雷雲が発達し、ところどころで激しい雷雨になります。

筑波山山腹の林道を勢いよく走る。

 しかし、これを避けていては、どんなに晴れていても、外へ出かけることはできません。今回の旅行のために、ぴかぴかに磨き上げたわたしの自転車も、昨日の夕立で、泥だらけになってしまいました。これまで、絶対に雨にぬれたくないと思っていましたが、自転車にべっとりついた泥を見ると、なんだかそんな気持ちがいくぶん吹っ切れたようにも感じます。わたしは、朝ご飯をもりもりと食べて、元気よく自転車で外に漕ぎ出すことにしました。

 今日、目指すのは、標高877メートルの筑波山です。関東平野にそびえ立つ筑波山の姿は美しく、全国有数の名山として称えられています。お宿を出て、すぐ目の前に見える筑波山に向けてペダルを回しました。平坦な道はすぐになくなり、上り坂に差し掛かりました。

 ◆筑波山に登る途中で録音しました。「筑波山の頂上を目指して林道を登っています。いま休憩で、お昼ごはんを食べています。昨日は、夕立でずぶ濡れになり、ひどい目に遭いました。きょうの雲行きを見ると、また夕立が来そうな雰囲気も感じられます。これから急いで筑波山に向い、そのあとお宿のある真壁町に戻ります」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間40秒、ファイル容量313KB、MP3形式)

 ◆虫や鳥の声を録音しました。夏の短いあいだだけ聞こえる声です。暑かった夏が思い出されます。夏山のサウンドを2分近く録音しましたので、じっくり聞いていただければと思います。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間1分52秒、ファイル容量879KB、MP3形式)

 ◆振り返ると八郷町がよく見えました。「ここから八郷の町を眺めると、ここまで登ってきたんだなぁ−と感慨深い気持ちです。いま、目の前にトンボがとまっています。ここはトンボがとても多く生息していて、道路にたくさんオニヤンマが死んでいました。夏の終わりを感じさせます」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間25秒、ファイル容量198KB、MP3形式)

クリックすると拡大します。
今回の活動地域を示した図です。クリックすると拡大します。
本日の走行コースの全体図です。
カシミール3Dで制作した立体的な地図です。
朝、八郷町で泊まったお宿の前にて撮りました。
筑波山へ続く道。
筑波山に向けて走ります。
唯一の道なのに閉め出し。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
クリックすると拡大します。
筑波山周辺の詳細図です。クリックすると拡大します。
今回の走行ルートの標高差を示した図です。カシミール3Dを使って制作しました。
力強くペダルを回します。
筑波山に登る途中で、八郷町を振り返る。入道雲が夏を思い起こさせます。
筑波山の杉林の一部は、関東森林管理局森林技術センターが管理しています。筑波山は杉やヒノキなどの針葉樹で覆われおり、古くから木材生産場として開拓されてきたようです。
正面から撮りました。

 筑波山山頂(女体山)へは、山頂近くにあるロープウェイ乗り場「つつじがおか」まで自転車で行き、そこからロープウェイに乗る必要があります。筑波山は頂上部分が尖っているためクルマや自転車では上れません。健脚の方は、登山道を徒歩で山頂まで登ることも可能ですが、時間がかかるので、わたしは、いさぎよくロープウェイに乗ることにしました。

5叉路の風返峠の交差点。ここからロープウェイ乗り場の「つつじがおか」までの道が続いています。後ろの尖った山が筑波山の2つの山頂「女体山」(手前)と「男体山」です。

 つつじがおかまでは、4本の道が通っています。正確には、つつじがおかの約1.5キロメートル手前でこの4本の道が合流し、つつじがおかへ続く1本の道へとつながっています。これら計5本の道が交差する5叉路の交差点が「風返峠」です。わたしは、まず、この風返峠交差点まで登り、ここからここからロープウェイ乗り場へ続く道を進むことを計画しました。

 風返峠交差点までの4本の道の内訳は、まず土浦市方面から来る有料道路「表筑波スカイライン」、2本目はつくば市方面から来る「筑波スカイライン」、3本目が昨晩わたしが宿泊した八郷町(やさとまち)方面から来る地方道42号線、最後の4本目が同じく八郷町方面からの林道です。

 わたしは、クルマの交通量が最も少ない林道を通って筑波山に登りました。予想したとおり、林道はクルマの交通量が少なく、おまけにちゃんと舗装もされてあったため、快適かつ安全に登ることができました。

 しかし、つつじがおかの手前にある風返峠交差点まで登ってきたとき、驚くべき事実に直面しました。なんと、風返峠交差点からロープウェイ乗り場までの約1.5キロメートルの道は、四輪車以外のすべての車両および歩行者を通行止めにしていたのです。道路の幅も十分にあり、きれいに舗装されているにもかかわらず、自転車、歩行者を通行止めにしている理由が納得できませんでした。ここを通らなければロープウェイに乗れないからです。

 風返峠交差点のすぐ脇にあって、車両や歩行者の通行を厳しく監視している管理事務所まで歩いて行き、「クルマを持っていないと、ロープウェイも乗れないのですか?」と聞いたところ、「だったら、クルマを買えばいいじゃん。歩きたいんだったら登山道がある。自転車は担がなきゃ上れないけどね」と、木で鼻を括るような対応でした。

実はあった! 筑波山への裏林道。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)

 この道路は、よほど四輪車以外のものを通らせたくないようです。周辺の有料道路は自転車や歩行者が通っていいのに、なぜここだけ閉め出すのか理解できませんでした。ロープウェイに乗るための唯一の道を閉ざされてしまい、筑波山の登頂をあきらめかけたときでした。

筑波“裏林道”を快走する。実はハイキングとしても活用されている林道です。

 さっきの管理事務所のなかから、別の担当者の方が出てきて、「この道は四輪車専用だけど、筑波山の反対側からロープウェイ乗り場まで行ける裏道がある」と、こっそり教えてくれました。地図をみても、そのような道は載っていませんでしたが「自転車でも走れる道があるから行ってみるといい」と勧めてくれました。他に方法もないし、わたしは半信半疑でしたが、行ってみることにしました。

 今登ってきた道を少し戻り、教えてもらった山の裏側にある林道に入りました。林道の周囲には、関東森林管理局森林技術センターが管理している杉林が広がっていました。林道は、この杉林の手入れをする作業用の道ですが、同時にハイキングコースとしても利用されているようです。道は未舗装で、勾配がきついところもあります。

ロープウェイ乗り場に到着! スイス製の新型ロープウェイ車両で運行しています。

 ガタゴトと砂利道を道なりに登っていくと、少し開けたところに出ました。どこからか人の声や音楽が聞こえてきます。ロープウェイ乗り場が近いのかも知れないと思い、周囲をよく見渡してみると、「つつじがおか、この先100メートル」と書いた看板がを見つけました。裏道は確かに存在していました。

 つつじがおかまでの道は階段になっていたため、自転車を停めて歩いて登ることにしました。100メートルも歩かないうちにロープウェイ乗り場に併設された駐車場にでました。駐車場には、もちろん四輪車しかありません。

 あとで分かったことなのですが、筑波山周辺の道路は、要所要所でオートバイを通行止めにし、オートバイが筑波山に近づきにくい制限措置がとられていました。恐らく爆音を立てながら、制限速度を超えるスピードで疾走するオートバイが後を絶たなかったため、閉め出されてしまったのかも知れません。でも、なぜ、自転車や歩行者まで閉め出されているのかは分かりませんでした。

筑波山山頂にて。

 道路はガソリン税や車両重量税などの財源で建設されているため、こうした税金を支払っていない自転車や歩行者は通行する資格がないと考えられているのでしょうか? でも、今回は、そうした障害を乗り越えて、結果的には、クルマがほとんど通らない、安全で快適な、地図にも載っていない裏道を通ってロープウェイ乗り場まで登れたことは、幸いなことだったと思っています。

クリックすると拡大します。
ロープウェイ乗り場を目指す。
ロープウェイ乗り場に近づくと、あまりクルマが通らないためか、草が目立つようになりました。
乗り場近くの広場に到着。
乗り場の100メートル手前まで自転車で登れます。
乗り場までの短い階段を登りました。
大型のスイス製ロープウェイで筑波山山頂を目指す。
ロープウェイからの眺め。
ハム(アマチュア無線家)のおじさんもいらっしゃいました。
筑波山頂から林道経由で真壁へ。 (◆の段落や写真を押すと音声や拡大写真が見られます)
クリックすると拡大します。
筑波山山頂にある「日本百名山」の石碑。
筑波山の案内板。
途中、林道端で休憩をとりました。
林道脇で休憩していると目の前にトンボがとまりました。
真壁町に向けて林道を駆けおりました。
真壁町側から筑波山を見上げる。
真壁町のお宿でお腹いっぱい夕食をいただきました。

 ロープウェイで山頂の女体山に着くと、少しひんやりしていました。眼下には緑豊かな真壁町(2005年10月から桜川市)が広がっていました。山の尾根づたいに筑波山のもうひとつの山頂「男体山」に歩いて行けるようでしたが、時間が限られているため今回は見送りました。

筑波山の山腹を縫うように走る林道を通って真壁町に向かいました。あと、6.6キロメートルで自転車道の「りんりんロード」沿いにある酒寄駅跡(すでに廃線になった筑波鉄道の駅)に着きます。

 山頂をあとにして、筑波山の裏側を真壁町方面に抜ける林道方面に自転車を進めました。真壁町までは、他にも道がありますが、林道を通った方がクルマの交通量が少なく、安全で快適に走れると考えたからです。

 ◆立ち止まったとき、ふと脇を見るとトンボがいました。「トンボがとまっている。目の前に…。ここはトンボが多い」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間19秒、ファイル容量152KB、MP3形式)

 ◆トンボで秋の近づきを感じたわたしは、少し寂しい気持ちになりました。「トンボを見るのは秋が近づいた証拠…」という趣旨を話しています。この段落をクリックすると音声を再生します。(録音時間13秒、ファイル容量106KB、MP3形式)

 林道は舗装していなかったことも影響してか、クルマは1台も通りませんでした。生い茂った草木がところどころで道に覆い被さっていたり、雨で砂利の路面が削られ、深い溝ができているところもありました。これでは、クルマで走るのはちょっと困難です。この点、自転車は軽いので、どんなに道が悪くても、着実に前へ進めることができました。

真壁町の側から見た筑波山。日本有数の名山に相応しい、美しい姿です。あんな高いところから自転車で下ってきたことを考えると感慨深いものがあります。

 筑波山周辺には、こうしたクルマがほとんど通らない林道がたくさんあります。多くは舗装してありませんので、マウンテンバイクでないと走れませんが、全部の林道を完走しようとすれば1週間くらいかかると思われるほどです。たとえば、筑波山からきのこ山、足尾山、加波山の尾根沿いに北へ向かって伸びる林道は、とても走り甲斐があると思います。尾根道は起伏が激しいので、次回、体力と時間に余裕をもって、ぜひ挑戦したいと思っています。

 ◆あしたは、加波山に自転車で登ります。この段落をクリックすると第3日目「神秘的な加波山へ。激しい坂道が続く」のツーリングレポートにリンクします。



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