ヤビツ峠を過ぎると雪と氷が広がる。
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登り坂のコツ。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
肉眼では、この先に雪をかぶった富士山頂が見える。

 ここまで、一度も自転車を降りて押して歩くことはしませんでした。1年半前なら、菜の花台に来るまで、何度も、押して歩いた覚えがあります。自転車に乗れたとしても、坂が急であるため、まっすぐに漕ぐことができず、蛇行しながら、ふらふらと前へ進みました。それに比べたら、今は、坂道を登ることに慣れてきたと感じました。

菜の花台に設けられた物見台にて。

 1年半前と、同じ自転車、同じギア比、同じ体重であるにもかかわらず、これだけの差が出るというのは、何かが以前とは違っているのだと思います。少なくとも体力や筋力は、1年半前と、ほとんど変わっていません。1〜2週間に1度、自転車を乗るくらいでは、体力・筋力アップにはならないからです。

 ただ、坂道を登る“コツ”みたいなものを、身体が覚えてきたのではないかと思っています。足の力だけで登ろうとせず、腕の力や、体重の移動など、全身の筋肉を活用することで、効率よく坂を登れるようになったと思います。

すぐ下に見えるゴルフ場は「秦野カントリークラブ」。

 詳しい力学的構造は、よく分からないのですけれど、わたしなりに考えると、足でペダルを踏み下げると、その“反作用”で、身体全体が押し上げられます。この反作用を相殺するために腕の筋力でハンドルを引き寄せます。左右交代でペダルを押し下げるので、これに合わせて、右手、左手と力の入れ具合を変えます。

 また、手足でしっかりと踏ん張れるようになると、その反作用で、身体は自然と宙に浮き気味となり、サドルへの体重負荷が減ります。つまり、お尻が痛くなりにくいし、その分、腰への負担も減るように思います。

菜の花台の物見台から見下ろす。

 たとえば、比較の対象としてママチャリの場合を考えてみます。サドルが低いうえに、ハンドル位置が高く、持ち手が手前に曲がり込んでいるため、どうしても、足の力だけでペダルを押し下げることになります。これでは、全身の筋力を総動員しているとは言えません。お尻への負担も大きい。

 いくら筋力がないわたしでも、足の力だけで漕ぐのと、全身の筋力を総動員するのとでは、出力する力量が違ってきます。足の筋力は1年半前から変わらないとしても、これに、腕や体重移動で得た力を、新しく“上乗せ”することで、坂道を登れるようになったのだと思います。


ヤビツ峠を目指す。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
菜の花台でドーナツをいただく。

 ◆菜の花台で、音声を収録しました。「ヤビツ展望台に来ました。秦野市街地がよく見えます。ドーナツうまかった」という趣旨を話しています。正確には“ヤビツ展望台”ではなく“菜の花台展望台”です。現場では、勘違いして話してしまいました。ここをクリックすると再生します。(録音時間11秒、容量86KB、MP3形式)

 菜の花台からヤビツ峠までは、距離は約3キロ、標高差で160メートルほどありますので、もう少し、坂を登らなければなりません。勢いづいていたわたしは、標高761メートルのヤビツ峠まで、一気に登りました。

ヤビツ峠の北側は、気温が低いまま保持されている。

 峠についたとき、雪がところどころに残っているのを見て驚きました。ここまで登ってくるときは、雪もなく、気温もあたたかでした。しかし、峠には、雪が残り、気温が低いままでした。峠を越えると、ますます雪の量が増えてきました。ところによっては、路面全部が凍結しているところもありました。

 2月では、まだ太陽の位置が低く、ヤビツ峠の北側は、日の光が届かないところが多い。このため、山かげの気温は低いままに保たれ、雪や氷が残りやすい状態になっていました。日の当たる山の南側と、そうでない北側とでは、その様相がまったく違うことに、わたしは純粋に驚きました。

イノシシみたいな蹄型の足跡があった。

 自転車をおりて、雪の上を滑らないよう、下を向いて慎重に歩いているとき、動物の足跡を見つけました。最初は、犬かイタチの足跡かと思いましたが、よく見ると蹄(ひづめ)の形をしています。

 足跡の長さは、15センチくらいあり、蹄のかたちをしているということは、恐らく、イノシシではないかと思います。人の気配がないときを見計らって、道路まで降りてきたのでしょう。わたしは、まだ野生のイノシシを見たことはありませんが、足跡から想像すると、犬よりも、ひとまわり大きそうな感じです。

クリックすると拡大します。
ヤビツ峠にて。
ヤビツ峠を過ぎたあたりで。
一面凍結しているところも。
山のかげは雪が残る。
気温も低いまま。

ずっと下り坂。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
クリックすると拡大します。
雪道を歩く〜その1〜
雪道を歩く〜その2〜
雪道を歩く〜その3〜
河原に残る雪。
70号線から見える深い谷間。
宮ヶ瀬湖にて。

 午後1時をまわったこともあり、わたしは今日の最終目的地である京王線橋本駅へ向けて、先を急ぐことにしました。

 ヤビツ峠を過ぎてから、わたしの自転車「加藤号」は、雪道を除いて、ぐんぐん前へ進んでいきます。わたしの脚力が驚異的に強化されたのかと錯覚するくらいです。

 ひょっとしたら、わたしの知らないうちに、足が機械化され、サイボーグになったのかと思うほどでした。でも、そうではなさそうです。なぜなら、極端な話し、ペダルをほとんど漕がなくても自転車が前に進んでいくからです。

「カシミール3D」で、秦野駅から橋本駅までの標高差を図形化。

 ヤビツ峠を頂点として、宮ヶ瀬湖、津久井湖あたりまで、多少の起伏はありますが、ほぼ一貫して下り坂が続いています。

 わたしは、先日、本屋さんで買った地形測定シミュレーションソフト「カシミール3D入門」(杉本智彦著、実業之日本社、税別1900円)を使って、秦野駅から橋本駅までの標高差を図形化してみました。ヤビツ峠からほぼ下り坂なのがよく分かります。

 登り坂が始まる秦野駅からヤビツ峠までのわずか全行程の3分の1ほどで標高761メートルも登るのに対し、下り坂が続くヤビツ峠から津久井湖までの同約3分の2行程は、全体的に下り坂が続きます。ヤビツ峠までは急な坂が続き、それ以降は、なだらかな下り坂が続いています。

宮ヶ瀬湖。

 一気に登って、長い下り坂を、ゆっくり楽しみたい方は、秦野側から出発し、逆にゆっくりと登って、一気に坂道を駆け下りたい方は、津久井湖・宮ヶ瀬湖側からヤビツ峠にアプローチするとよいかも知れません。


橋本駅に到着。(◆の段落か写真をクリックすると写真が見られます)
宮ヶ瀬湖の堤防周辺は、立体的な公園として整備されている。

 ◆橋本駅に無事到着しました。わたしは、駅前のドンブリ屋さんで、豚の角煮丼をいただきました。寒いなか自転車を走らせたあと、暖かいお茶といっしょにドンブリをいただくのは、ほんとうに幸せなことです。この録音は、暖かいお茶を飲んでいるときに録りました。「お茶がおいしい」と話しています。ここをクリックしてください。(録音時間10秒、容量78.5KB、MP3形式)

 ◆バスとの競争で「勝利」したり、ヤビツ峠まで押して歩かずに登ったり、ずっと下り坂で快適だったこともあり、ドンブリ屋さんで「今日の、わたしの“走り”は、100%の出来だった」と、なんとも、おごり高ぶった発言をしてしまいました(笑)。ここをクリックしてください(録音時間7秒、容量58.3KB、MP3形式)

 実際の成績は、以下のとおり。

 走行距離 54.41キロ
 走行時間 7時間36分
 平均速度 7.1キロ
 最高速度 61.3キロ

橋本駅前にて。

 最高速度は、おそらく測定エラーの数字だと思いますが、平均速度7.1キロは事実…。速いライダーだったら平均時速20キロオーバーなんて珍しくないなかで、わたしの遅さは際立っています。今後は、せめて、平均速度10キロを目指すべく、がんばろうと思っています。

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宮ヶ瀬湖の堤防。
堤防から見る宮ヶ瀬湖全景。
宮ヶ瀬湖の青い空。
巨大な階段。


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